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試合前にまたもやデモ=BH、サルバドールで=サンパウロ市ではPEC37に反発

ニッケイ新聞 2013年6月25日

 ミナス州ベロ・オリゾンテ市のミネイロン・スタジアムでサッカーコンフェデ杯一次リーグのメキシコ対日本戦が行なわれた22日、6万6千人が集まってデモを行い、暴動に発展した。同日はベレン、クリチーバ、フォルタレーザ、リオ・ブランコ、サンルイスなど全国10州都、南大河州サンタマリアなど約50市でデモが相次いだ。バス賃値下げが多数の都市で宣言されたが、依然として政府を糾弾する民衆の主張は続いている。23日付各伯字メディアが報じた。
 ベロ・オリゾンテでのデモは同日午前、市中心部の9月7日広場から始まった。デモ隊は、スタジアム方面に15キロほどを平和な雰囲気で行進したが、スタジアム近くの大通りにさしかかったときに一変した。
 試合が始まった午後4時前後、デモ参加者のうち少数の過激派がブラジルでのW杯開催反対を叫び、スタジアムの包囲網を破って侵入をはかった。過激派は石や爆竹を投げつけ、放火、器物破損などを働き、車の修理店や銀行などを襲った。
 軍警と国家警備隊がゴム弾や催涙ガスなどで鎮圧をはかって3時間ほど混乱が続き、少なくとも8人(フ紙は14人と報道)が負傷、16歳の少年は高架橋から転落して脚を骨折、頭部に怪我を負った。次のデモは、ブラジル代表が出場する準決勝戦がある26日に予告されている。
 ブラジル対イタリア戦があったサルバドールでは、前半と後半の合間に500人が集まって軍警と衝突し、サンパウロ市パウリスタ大通りでは「憲法補足法案(PEC)37」に反対するデモに3万5千人が集まった。
 デモは連邦と州の検察庁関係者の呼びかけで始められたもので、汚職に反対する複数の団体等にも広がり、フェイスブックでの呼びかけで参加者数が膨らんだ。
 参加者の大半が中流階級で20、30代の白人で、サンパウロ近代美術館からアニャンガバウーへ向かって約3時間、参加者の一部は国旗を体に巻きつけ、国歌を歌いながら行進。ジウマ大統領やルーラ前大統領への批判も叫ばれた。
 700人の軍警が出動して厳戒態勢となっていたブラジリアでも議会前に2千人(フ紙は4千人と報道)が集まり、検察の捜査権を制限するPEC37への反対、カリェイロ上院議長、フェリシアーノ下院人権委員長の退任を求めたデモ、中絶の合法化や女性への性暴力に反対するデモには1500人が集まった。
 リオ南部レブロン地区のデルフィン・モレイラ大通りでは同日夜から、セルジオ・カブラル州知事宅近くで医療や教育の充実、W杯への巨額投資への反発を訴えるデモが起こり、20人ほどが同大通りで夜を明かした。