2011年8月11日にリオデジャネイロ州ニテロイの自宅前で21発の凶弾を浴びて死亡したパトリシア・アシオリ判事殺害事件で、21日未明、軍警中佐に36年の実刑判決が下った。
この事件は、同州第7大隊所属の軍警ら11人が、自分達の不正を暴く裁判を担当していたパトリシア判事の殺害を計画し、法廷から帰宅する同判事の車をバイクで追いかけ、自宅前で銃殺したものだ。
パトリシア判事は、同大隊の軍警達が麻薬密売者から賄賂を受け取って種々の便宜を図る一方で私腹を肥やし、密売者や自分達に都合の悪い人間を殺害し、抵抗したから射殺したと正当化するといった不正を繰り返している現状を打破するため、身の危険を覚えつつ職務に当たっていた。
今回の裁判で36年の実刑判決を受けたクラウジオ・デ・オリヴェイラ中佐は、パトリシア判事殺害を計画した人物と目され、20日朝9時30分に始まった公判では、同中佐が犯行に関与した事を証言する証人6人、弁護側の証人4人の計10人の証言を聞いた後に判決が下された。公判は約18時間に及び、判決文が読み上げられたのは21日午前3時だった。
ネアリス・カルヴァーリョ・アルセ判事は、30年は卑劣な理由で抵抗の出来ない状態の被害者を残酷な方法で殺害したゆえの刑で、残る6年の分は、警官という公的な職務に就きながら、公然と武器も使用できる立場の犯罪者集団を作り、活動していたゆえの刑と説明した。
ネアリス判事は、同中佐はパトリシア判事殺害を阻止でき、また阻止しなければならない立場にありながら、公的な秩序や社会的な平和を守るべき職務に反した、卑劣で冷酷、かつ非道な行動に走ったと断罪した。
同中佐の弁護士は上告すると語っているが、この判決によって、パトリシア判事殺害事件で起訴された軍警11人の内、7人に有罪判決が出た事になる。
軍警中佐に36年の刑=女性判事殺害の裁判進展
ニッケイ新聞 2014年3月22日