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メンサロン=第1回上告期間が終了=「曖昧で矛盾多い」と弁護側=ジルセウら報告官交代求む=バルボーザ氏は続行の意向

ニッケイ新聞 2013年5月4日

 メンサロン事件の上告期間が2日で終了し、25人の有罪被告全てが上告の手続きを行った。そのうちジョゼ・ジルセウ被告をはじめとした5人の被告が、昨年の公判で報告官をつとめたジョアキン・バルボーザ現最高裁長官をその役割から外すよう依頼している。3日付伯字紙が報じている。

 最高裁が4月22日に8405頁に及ぶメンサロン裁判の統合判決書を発行してから10日。同判決書をもとに有罪被告の弁護士が上告の判断を行える期限内に、全被告が上告を行った。弁護士たちは膨大な量の書類を短期で分析しなければならなかったことに不満を表明し、統合判決書の記載は「曖昧で矛盾点も多かった」と評している。特に元労働者党(PT)党首のジョゼ・ジェノイノ被告の弁護士は「片手落ち」と厳しい評価も下している。
 今回の上告で注目されるのは、メンサロン事件の首謀者と判断された元官房長官のジョゼ・ジルセウ被告(PT)が、昨年の同裁判で報告官を担当したバルボーザ長官を報告官担当から外すよう要請していることだ。
 同事件の告発者であるブラジル労働党(PTB)元党首のロベルト・ジェフェルソン被告、懲役40年の実刑判決を受けた企業家マルコス・ヴァレーリオ被告の共同経営者だったラモン・ホレルバック被告、農業銀行元副頭取のジョゼ・ロベルト・サウガード被告、ペドロ・エンリ下院議員(進歩党・PP)の4人も、ジルセウ被告同様に、バルボーザ長官を報告官から外すことを要請している。
 この嘆願は、バルボーザ氏が現在長官であることを理由に行われているが、最高裁判事たちはこの嘆願は却下されるだろうと見ているが、リカルド・レヴァンドウスキー副長官とジルマル・メンデス判事は、この嘆願を最高裁内で審議することに賛意を示している。
 また、デルービオ・ソアレス被告(PT)の弁護士は、バルボーザ長官が被告側にとって有利な証言を統合判決書から削除したと、不満を漏らしている。
 また、元下院議長のジョアン・パウロ・クーニャ被告(PT)の弁護士は、刑期の見直しと最高裁が同氏を含む4人の議員の罷免を決めるに至った判断基準を明らかにすることを要請し、再審議を求めている。
 バルボーザ長官は第1回目の上告に関する報告官役をつとめることを明言しており、今月いっぱいをめどに、上告内容を検討するつもりでいる。この時点で2回目の上告にあたる再審請求を受入れるか否かが決まるが、再審となったときの報告官は未定だ。2回目の上告の有資格者は、罪状ごとの投票で4票以上の無罪票を獲得した(有罪か無罪かの判断が割れた)被告のみとなる。