【既報関連】連邦警察は20日、17日から開始した「ラヴァ・ジャット作戦」の一環で、元ペトロブラス供給部理事のパウロ・ロベルト・コスタ容疑者を逮捕した。同容疑者は、2006年に同社が米国のパサデナ製油所の株を買収した際に書類作成などに関与していたことも明らかとなっている。21日付伯字紙が報じている。
ラヴァ・ジャット作戦は、19日付本紙でも報じたように、6州と連邦直轄区を対象にし、組織的なマネーロンダリングに関わる闇為替の大物たちを取り締るものだ。同作戦では17日に24人が逮捕されていたが、コスタ容疑者もその日の時点で連警に連行され、事情聴取を受けていた。
コスタ容疑者は昨年3月、ラヴァ・ジャット作戦の主犯格とされるパラナ州の闇ブローカー、アルベルト・ユセフ容疑者から20万レアル相当のジープを受け取っていたことで、捜査線上に浮かび上がっていた。コスタ容疑者はペトロブラスを辞めてからはじめたコンサルタント業の報酬と釈明していたが、逮捕時の家宅捜査では、75万1千レアルと18万1千ドル、1万1千ユーロが現金で押収されている。
コスタ容疑者は、2004年から2012年3月までペトロブラスの理事をつとめており、2006年には同社によるパサデナ製油所の買収承認の過程に関わっている。同製油所の買収問題では、当時、同社経営審議会議長をつとめていたジウマ大統領が、「買収を承認したのは(資料として受け取った書類に)契約条項が不足していたから」と発言して、現在社会的に注目を浴びているが、コスタ容疑者はこの当時、同社の国際渉外担当理事だったネストル・セヴェロー氏らと共に同製油所買収に関する資料の作成を行なったとされている。
今回のコスタ容疑者逮捕の直接の容疑は、組織的なマネーロンダリングに関する資料の消滅や隠蔽となっており、パサデナ製油所に関しての逮捕ではない。だが、フォーリャ紙によれば、同氏に絡んだ資料の中には、同製油所買収に関するものが存在している可能性があるという。
また連警は、コスタ容疑者とユセフ容疑者が、化学薬品会社のラボージェン・キミカを通して、ペトロブラスと巨額の契約を交わすことを狙っていたのではないかという推測を立てている。ユセフ容疑者は既に同社と保健省とのあいだで、薬品の供給に関しての契約を1億5千万レアルで結ばせることに成功している。連警はラボージェン本社での書類を調査するにあたり、両容疑者が電話で交した会話内容から、同社の次なる標的がペトロブラスであったことをつかんでいる。
なお、コスタ容疑者を2004年にペトロブラスの理事に推薦したのは民主運動党(PMDB)と進歩党(PP)のグループとされている。皮肉にも、連邦政府の反対を押し切って、野党の主張するペトロブラス問題に関する議会調査委員会(CPI)の発足の後押しをしているのは、両党の下議たちだ。