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人工授精は50歳まで=医師審議会が規定を変更=卵子や受精卵の扱いも改定

ニッケイ新聞 2013年5月10日

 連邦医師審議会(CFM)が生殖医療に関する規定改正を行い、これまで無制限だった人工授精の適用年齢に50歳の上限を設けることなどを定めた。9日付伯字紙が報じている。
 9日から発効となる改正の中で、最も注目されるのは、これまで制限のなかった人工授精の適用年齢が、50歳を上限とされたことだ。CFMによると、これは妊婦の健康や安全性を考慮してのことだという。一般に50歳を過ぎての出産は、妊婦が高血圧や糖尿病を起こしやすく、早産や低体重児が生まれる可能性も高いとされている。
 ただ、50歳を超えた場合の妊娠が全て禁止されるわけではなく、妊婦の体調が良好と見られた場合は、地方医師協議会(CRM)の指示を仰いだ上で出産の判断をすることができる。
 人工授精の適用年齢の規定に関しては「もっと引き下げるべきだ」という意見や「注意を促がすのは良いが法で明文化するのが良いことなのか」と医師間でも意見が割れている。
 今回の改正では、これまでは規定がなかった配偶子(精子や卵子)の提供にも、女性は35歳まで、男性は50歳までという年齢制限が加えられようになった。
 また、不妊症の治療を行っている35歳までの女性は、治療費の負担と引き換えに自分より年上の女性の治療用に卵子を提供することが法的に可能となった。
 一方、これまでは母親や姉妹、祖母にのみ認められ、年齢制限がなかった代理出産は、叔母や従姉妹までその範囲が広げられた。その場合も、代理出産者の年齢は50歳までとなる。
 また、生殖されなかった胚(受精卵)については、他の夫婦への提供するか調査に使うこととされていたが、5年以上凍結されたものについては、夫婦が希望すれば処理することが認められるようになった。ただ、これに関しては「胚の時点で命が宿っている」との判断から反対の声も少なくない。
 さらに、今年3月にサンパウロ市のシリオ・リバネス病院で行われたマリア・クララちゃんとマリア・ヴィットリアちゃんの姉妹によるサラセミアの骨髄移植手術に倣い、移植の必要な兄弟を助けるために互換性のある幹細胞や臓器を持った赤ちゃんを産むための胚を選ぶことも法制化する形で認められた。
 そして、これまで文面上で一度も書かれてきてなかった「同性愛結婚」という言葉をはじめて使い、同性愛者にも(代理出産を含む)生殖医療の適用を認めている。