ニッケイ新聞 2013年5月18日
16日発表の2011年全国家庭サンプル調査(PNAD)によると、10歳以上でインターネットを利用する人は05年の3190万人より114%増え、人口の46・5%にあたる7770万人に達した。これは、雇用や所得の拡大と融資を受けるのが容易になったりした結果だ。
今回のPNAD調査で注目される事の一つは、05年は1020万人だった家庭所得が1人当たり月1最賃以下の利用者が11年は2940万人にと188・8%増えた事。1〜2最賃では890万人が2190万人に145・5%、2〜3最賃では430万人が870万人に103・0%、3〜5最賃では390万人が640万人、5最賃以上では420万人が1080万人に154・0%増えている。
だが、家庭収入が1人当たり1最賃以下の人は人口の52・5%なのに、インターネット利用者に占める割合は38%で、社会格差はまだ大きい。1最賃以下の人でインターネットを使う人は33・6%で、5最賃以上での67・9%との差は歴然としている。
地域別の利用率は、マラニョンとピアウイが24・1〜24・2%なのに対しサンパウロ州は54・6%以上。ミナス州を除く南東伯と南伯、中西伯、連邦直轄区、ロライマ州は43・7〜54・5%、アマパー、アクレ、ミナス、ロンドニアの各州は38・5〜43・6%。残る10州は24・3〜3・4%だが、北伯、北東伯の利用者の伸びは他の地域を凌いでいる。
年齢別の利用者は、15〜17歳の74・1%を筆頭に10〜20代が60%以上。30代前半53・9%、同後半48・4%、40代前半41・3%、同後半41・3%、50歳以上18・4%と続くが、50歳以上は6年間で222%増加。伴侶をなくした後、社会ネットワークで交友関係が出来たとか、家族との通信に利用といった人が多い。
公立校生の利用も24%から65・8%に増えたが、その一因はネット接続の可能な携帯電話の普及だ。携帯電話は国民の10人に7人が所有し、通信容量が大きくインターネット接続も可能なスマートフォンは市場の27%。連邦直轄区では87%を占めており、14年には全国平均で50%に至る見込みだ。
11年の携帯電話所有者は69・5%が女性。1最賃以下の所有者は全体の44%で、10〜14歳の所有者も全体の42%を占めている。
今年からは確定申告はインターネットのみとなるなど、インターネットの必要度は高まっているが、それでも、カナダや英国の83%、82%には遠く及ばず、53・9%と47・7%のチリやアルゼンチンの後塵を拝している状態だ。