ニッケイ新聞 2013年5月22日
20日、トルコでブラジルからの観光客を乗せた気球が他の気球と衝突して落下し、3人が死亡、8人が重軽傷を負う事故が起きた。21日付伯字紙が報じている。
事故は現地時間20日午前6時(ブラジリア時間20日午前0時)、同国の世界的観光地のひとつでユネスコ指定のギョレメ国立公園に近いカパドシア(カッパドキア)で起こった。
24人が乗ったアナトリアン・バルーン社の気球が地上300メートルまで上がったとき、気球の上部がさらに上を飛んでいた気球の客席部分と衝突した。その際の衝撃で気球は割れ、降下をはじめた。操縦士は地上50メートルまではなんとかバランスを保っていたが、そこからは支えきれず、気球が急降下した。
24人の中にはスペインやアルゼンチン、プエルトリコからの観光客も混じっていたが、ブラジル人客11人中3人が死亡した。外務省は犠牲者名を明かしていないが、国外での発表によると、亡くなった3人はエレン・コペルマンさん(73)、マリア・ルイーザ・ゴメスさん(71)、マリーナ・ローザスさん(71)で、残り8人も骨折などの重軽傷を負った。
カパドシアでの気球ツアーは同国の民間航空局も認可する人気の観光プログラムだ。人気は年々高まっており、2002年の運行実績は6社31機だったが、12年には20社140機運行まで急増している。
また、ブラジルからの観光客も、先週までグローボ局で放送されていたノヴェーラ「サウヴェ・ジョルジェ」が同国を舞台としたことで関心が高まり、12年12月のトルコへのブラジル人旅行客は、前年同月比で45%も上昇していた。
アナトリアン・バルーン社は、気球運転手の資格や同社の運行状況に問題はなかったと主張している。