サンパウロ州北部の施設で世話を受けている体重300キロにも及ぶ大きなライオンが1日に盗み出されたことが判明した。2日付伯字紙が報じている。
1日未明に盗み出されたのは、内陸部モンテ・アズール・パウリスタ市の「動物リハビリ・センター」にいた9歳の「ラヴェル」という名の雄ライオンだという。
施設の責任者で獣医のオズワルド・ガルシア・ジュニオルさんによると、ラヴェル君が盗み出されたのは1日の午前5時30分頃で、3人の近隣住民が、施設内に車が停まっているのに気づいている。だが、隣人たちはいずれも「同施設に動物を運んで来る関係者の人によるもの」だと思い、犯罪であるとは思わなかったという。同施設は、命の危険のある動物を保護する施設として知られている。
オズワルドさんが同日朝、施設に到着した時には、施設の入り口と檻の扉が壊され、檻の中にラヴェル君の姿はなかったという。
オズワルドさんによると、ラヴェル君は2009年にパラナ州マリンガから以前の持ち主によって同施設に連れて来られたという。ラヴェル君は体重300キロ超で1日5キロ相当の肉を食べ、特別な世話が必要だった。「性格的には従順だ」とオズワルドさんはラヴェルを評している。
サンパウロ州環境局によると、この事件は現在、環境警察と市警で調査中だ。目撃証言によると、犯人は男性3人、女性1人からなるグループだ。ライオンを誘導するのは一般人に出来ることではないため、動物の扱いにかなり慣れた者による犯罪ではないかと見られている。
オズワルドさんは「とにかく戻ってきてほしい。これまで過ごしてきたような尊厳に満ちた生活をまた営んでもらいたい」とラヴェル君の無事帰還を望んでいる。