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車業界の苦難は続く?=消費者の購入意欲最低に=アジア系企業は気を吐く

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が4月30日、92%の消費者は今後数カ月間に車購入や買い換えの意思はないとの消費動向調査結果を発表と1日付エスタード紙が報じた。数カ月中に購入を希望する消費者は6・8%で、過去最低に近い数字だった。
4月の車の売上げは3月より増えたが、昨年同月比約4万台減の29万台で、1~4月の売上げも昨年同期比5%減の見込みだ。1~3月は昨年同期比2・1%減だから販売不振は深刻化している。自動車業界の3月末の在庫は、適正とされる25~35日分を大幅に上回る48日分(38万7100台)で、生産調整が必要な状況だ。
従業員2千人が過剰となったメルセデス・ベンツはサンパウロ州のサンベルナルド・ド・カンポ工場で希望退職者を募集し、4月中に約700人が応募。集団休暇やレイオフなどの措置で対応している会社は複数に上る。
トラック製造業界も同様で、8社中最後まで生産調整措置を採らなかったVolvo社も4月28日、クリチバ工場での集団休暇を発表した。
車の販売不振は、経済基本金利の引き上げや、銀行融資が滞り、分割払いでの購入が難しくなった事、アルゼンチンの輸入縮小等が理由とされ、業界は政府に自動車購入用のクレジット開放を求めているが、先の調査結果はより根本的な販売不振の原因を示している。
消費者の車購入意欲喪失は、高金利や今後の経済や雇用への不安、負債増加、新型ブレーキ等の装着義務化と工業製品税減税終了による価格上昇に物価高騰が原因だ。4月の場合、負債を抱える家庭は62・3%で、負債返済額が家計に占める割合も拡大している。
ただ、自動車業界全体が不振に喘いでいる訳ではなく、4月27日付エスタード紙は、現代やトヨタ、ホンダ、三菱は新工場建設や新型モデル発売等で売上げを伸ばしていると報じている。
生産ライン入れ替えのため残業カットをしていたホンダは今年、調査開発センターを新設。4月にFit、7月にCivic、9月にCityの新型モデルを発表する。1~3月の売上げは2万9200台で5・6%伸びた。FitとCivicの現地部品調達率は80%だが、今後は90%台に高める意向だ。
トヨタの第1四半期の売上げは5%伸びて3万6500台。新型カローラは40日間の順番待ちで、スマレー工場は生産能力一杯で稼動中だ。
ゴイアス州カタロンに工場を持つ三菱も新型モデル発表などで売上げが8・4%伸張。昨年の1~3月は拡張のため一時的に減産体制をとったルノー/日産は売上げを21・7%伸ばし、新規投資も発表されたが、4月には在庫調整のため集団休暇を採用した。