ニッケイ新聞 2013年4月2日
3月29〜31日にサンパウロ市西部のジョッキー・クラブで行われた大型ロック・フェスティバル「ロラパルーザ」が、3日で延べ16万7千人の観衆を集める盛況となった。3月30〜4月1日付伯字紙が報じている。サンパウロ市では、12年11月にレディ・ガガ、12月にマドンナと世界的な人気歌手が公演を行っても不入りだった。それに加え、今年5月に開催予定だった「ソナー」というダンス音楽系フェスティバルが中止になったことなどもあり、「興行業バブルがはじけたのでは」と囁かれていた。
だが、ロラパルーザはこうした不安を拭い去るように観客を集めた。初日は5万2千人、2日目に5万5千人、そして11年11月にモルンビ・スタジアムでの公演で7万枚を売り切った米国のバンド、パール・ジャムを迎えた3日目には発券予定の6万枚がすべて売り切れた。
ロラパルーザは1991年米国発祥のフェスティバルで、無名バンドを次々とスターにし、90年代の文化の象徴にもなった。90年代末に一旦閉鎖後、2000年代半ばに復活した。
現在も本国では3日開催で20万人以上動員の人気企画で、11年にチリで開催後、南米進出本格化を図り、サンパウロ市でも12年に2日間の公演を開催。2回目の今回は欧米で話題になりはじめたバンドを揃えたラインナップが耳の早いブラジルロックファンに好評で、大トリ出演者の人気だけに頼らない出演者の層の厚さが最近不入りだった大物歌手公演に差をつけた。
だが、その一方、会場のジョッキー・クラブでの馬の糞の匂いや、トイレへの長い行列、音量の調整など、幾つかの課題も残されている。
1日未明、主催のジェオ・イベントは早くも14年4月18〜20日の次回開催を発表した。