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14年サンパウロ州知事選=PT候補はメルカダンテ?=過去に2度出馬も敗退=本人は現時点で否定=ジウマは再選狙い北東伯強化

ニッケイ新聞 2013年4月6日

 労働者党(PT)が2014年のサンパウロ州知事選挙の同党候補として、アロイジオ・メルカダンテ教育相を有力候補として考えていることが明らかとなった。4日付伯字紙が報じている。
 PT首脳は3日、サンパウロ市で会議を行った。ジウマ大統領やルーラ前大統領、ルイ・ファルコン党首、アントニオ・パロッシ前官房長官らが参加した会議には、メルカダンテ氏も参加。この席上でルーラ氏は、本人がその気なら14年サンパウロ州知事選のPT候補はメルカダンテ氏と語ったという。
 この件についてメルカダンテ氏は4日、サンパウロ州市町村協会の総会後に受けた取材で「私が決めることではない」とし、「私が今すべきことは教育省に全身全霊を傾けることで、知事選の話をするのは早い」と語った。同氏はエスタード紙のインタビューにも「14年のジウマ大統領再選が第一義で、全てはそこから派生する」として、知事選の話題を一切避けた。
 メルカダンテ氏は過去2度、PTからサンパウロ州知事選に出馬している。2006年は選挙参謀の一人の汚職問題などが足を引張って、ジョゼ・セーラ氏(民主社会党・PSDB)に敗れ、2010年もジェラルド・アルキミン氏(PSDB)に一次投票で惨敗した。1995年のマリオ・コーヴァス氏以来、サンパウロ州知事はPSDBが続いており、PTからサンパウロ州知事が生まれた前例は過去にない。
 メルカダンテ氏は、パラナ州知事選への出馬が有力視されているグレイシー・ホフマン官房長官の後任候補ともされており、メルカダンテ氏が知事選出馬を固辞した場合はアレッシャンドレ・パディーリャ保健相が出馬と噂されている。保健相出馬に関しては、現政府に関するアンケートで保健部門での国民の満足度が低いのが難点だ。
 ジウマ大統領に関しては、北東伯を頻繁に訪れているのが目につく。就任以来の平均では北東伯への旅行は33%だが、今年は56%が北東伯への旅だ。北東伯はPTの一大票田で、14年大統領選に関する3月のダッタフォーリャ調査でも同地域でのジウマ氏支持率は64%と群を抜いた。北東伯訪問は、14年大統領選への立候補が噂されるエドゥアルド・カンポス・ペルナンブーコ州知事(ブラジル社会党・PSB)に票が流れるのを防ぐためでもある。
 一方、14年選挙で再選を狙うアウキミンサンパウロ州知事は4日、14年大統領選出馬が有力視されるアエシオ・ネーヴェス氏とサントスでのサンパウロ州市町村協会での講演に参加した。アエシオ氏は現在の連邦政府を軍政時代と比べて批判する際、1964年のクーデターを、軍事政権が正当化するのに使った「革命」という言葉で表現。講演後の質問には「軍政か革命かという言葉の問題ではなく、権力集中の阻止と民主主義の確立のために戦っていることを誇りに思う」と答えた。アエシオ氏は軍政終了後の最初の大統領、タンクレード・ネーヴェス氏の孫だ。