サンパウロ市=街頭広告が6年ぶりに復帰=シダーデ・リンパ法以来初
ニッケイ新聞 2013年4月6日
3月30日から、サンパウロ市のバス停の一部で商業広告の掲示が見られるようになった。これは2007年のシダーデ・リンパ法施行以来はじめてのこととなる。5日付エスタード紙が報じている。
同法は街頭での商業広告を禁止していたが、2011年9月の市議会で市内4万3千カ所の商業広告設置が許可された。昨年、新しい屋根付きのバス停6500カ所や1万2500個のバス停のトーテンへの広告主を選ぶ入札が行われた。
落札した企業には今後25年に渡る街頭広告の権利が認められている。バス停での広告第1号はアンベヴ社のビール「ブラーマ」だ。この広告は現在、西部のペルジゼス、南部のイタイン・ビビ、ジャルジン・パウリスタ、モエマなどの上流住宅地に設けられた新型の屋根付きバス停で展開されている。
広告業界はこの広告復帰を歓迎し、市にさらなる広告の解禁を求めている。全国街頭広告企業協会のルイス・フェルナンド・ロヴァーリオ会長は「シダーデ・リンパ法施行前のサンパウロ市の状態に戻って欲しくはないが、バス停や時計台以外にも広告は欲しい。広告で街の景観と調和を保ち、より美しくすることも可能だ」と語っている。
しかし、広告の復帰について否定的な意見もある。サンパウロ総合大学(USP)の都市工学専門のイサオ・ミナミ教授は「すでに広告を出すあらゆる方法が存在しているのに、あえて街頭で展開する必然性はあるのか。街は広告に利用されるためにあるのではない」と批判している。
アンベヴの広告は来週までだが、同社は14年末までに1万800個の広告を出す契約となっている。昨年の入札で落札した企業は、建築のオデブレヒト社やTVバンデイランテスなども加わる合弁会社Otimaだ。