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デング熱患者昨年の4倍弱=3カ月で71万人超す=高齢者の死亡率は12倍=4型と1型が流行招く?

ニッケイ新聞 2013年4月13日

 保健省の統計によると、今年のデング熱患者は3月末日の時点で昨年同期比275%増の71万4226人に達し、高齢者の死亡率は他の年齢層の12倍も高いと10日付G1サイトなどが報じた。

 昨年の患者数は過去3年間で最低の19万294人だったから、増加率が余計に目につくが、他の2年も、2011年34万4715人、2010年50万1806人だから、今年の急増ぶりが分かる。
 患者数最多はミナス州の15万2230人で、3月7日に報告された7万8242人の2倍を超えている。また、人口10万人当たりの患者数の最多は南マット・グロッソ州の3105人で、こちらも、3月3日の下院での公聴会で報告された2947・8人より状況が悪化した。南麻州以外で発生率が高いのはゴイアス州やエスピリトサント州などだ。
 保健省では人口10万人当たりの患者数が300人を超えた時点で流行とみなすが、今年のデング熱の発生率は全国平均でも10万人当たり368・2人で、保健所の対応時間延長などの処置が各地でとられている。
 アレッシャンドレ・パジーリャ保健相は3日の下院公聴会で、年頭からの12週間(1月1日〜3月23日)の患者は63万5100人で、昨年同期比279%増と発表した際、今年の流行を招いたウイルスは2011年に国内での患者が見つかった4型と従来型の1型が中心と説明。12年末に感染予防のために投じた金額は1億7330万レアルで、11年の9280万レアルを大幅に上回ったが、市長や保健衛生の担当者の交代などで予防対策が継続できなかった事が感染拡大を招いた可能性が強いとの考えを表明していた。
 3月末現在の死者数は132人で、60歳以上がその42%を占める。人口比率から算出した同年代の人の致死率は他の年代より12倍も高く、他の慢性病を抱えている人がデング熱に感染する事で合併症などを起こしたりした可能性が高いようだ。
 デング熱の主な症状は、高熱や頭痛、脱力感や疲労感、目の奥や骨、関節の痛み、発疹、食欲不振に嘔吐など。出血性デング熱の場合は、口や喉の渇き、頻繁な嘔吐、意識の混濁、不眠、腹部の強い痛み、歯茎や口腔、鼻からの出血などの症状が加わる。
 感染が疑われる時は医師の診断を受けた上で薬を服用するのが原則で、水分を充分にとって体を休める事も大切だ。デング熱は複数回感染すると出血性となる可能性が高いため、感染歴のある人は注意が必要だ。
 デング熱の感染拡大は4月に入ってからも続いており、11日に州西部のリベイロン・プレット市とサンジョゼ・ド・リオ・プレット市が流行宣言を出したサンパウロ州では、海岸部6市など、計33市が流行状態。リオ州でも9日までに、ペトロポリスなどの山間部6市を含む44市が流行宣言を出している。