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「未成年者の刑を重く」=アウキミンが改定に動く

ニッケイ新聞 2013年4月13日

 【既報関連】サンパウロ市東部で9日に起きた未成年者による大学生殺人事件を受け、ジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事が「児童青年憲章」(ECA)の見直しを働きかけることを示唆した。12日付伯字紙が報じている。

 12日付本頁で報じた、ヴィットル・ウゴ・デプマンさん(19)がサンパウロ市東部ベレンで9日に強盗に遭い殺害された事件が、大きな波紋を呼んでいる。それは、ヴィットルさんを撃った犯人が12日に18歳を迎え、犯行時は未成年者だったからだ。現行法では、未成年者が重大事件を起こしても、少年院に3年服役すれば出所となる。
 これに対し、アウキミン知事は、未成年者による重犯罪を防ぐため、ECAを改定し、懲罰を厳格化するよう働きかけることを明らかにした。同氏所属の民主社会党(PSDB)は改定に向けたプロジェクトを15日以内に連邦議会に提出するという。同知事は少年院の収監期限は10年までとし、18歳になったら刑務所に移すべきとの考えを明らかにした。
 ジョゼ・エドゥアルド・マルチンス・カルドーゾ法務相も今回の事件を重く捉え、「ECAが作成された当時と現在は時代が違う。ECAをより時代にあったものにするための話し合いが必要だ」と語っている。
 ヴィットルさんの母親のマリーザさんも、「息子の死は単なる殺人事件例では終らせない」覚悟で、成人年齢引き下げのために国中を走り回ってもよいと語っている。
 一方、サンパウロ市パウリスタ大通りでは11日午後1時15分頃、学友たちを中心とした呼びかけに応じて集まった約300人の人たちが追悼行進を行い、少年犯罪への刑の厳格化を叫んだ。友人の一人は「ヴィットルはTV司会者になるのが夢だったのに」と語り、その死を惜しんだ。