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先住民が下院に乱入=議員たちが逃げ出し混乱=議会による保護区制定嫌う

ニッケイ新聞 2013年4月18日

 16日、下院での投票の最中に、先住民問題に関する特別委員会の設置に反対する先住民の抗議集団が乱入した。17日付伯字紙が報じた。
 「先住民の日」にあたる19日までは先住民週間で、下院でも先住民について様々な議題が話し合われていた16日午前、73部族からなる500人以上の先住民の集団が下院に集まり、先住民保護を訴える議員団との話し合いを行った。
 先住民たちは、先住民保護区の制定に関する最終決定権を議会に与えることも含む憲法補足法案215号(PEC215)を検討するための特別委員会設置に反対で、エンリケ・アウヴェス下院議長に、委員会設立を反故にしない限り議会に止まると宣言した。
 憲法・法務委員会(CCJ)が3月に承認したPEC215は、特別委員会で検討後、本会議にかけられる。同法案が通れば、現在は国立先住民保護財団(Funai)が検討し、法務省が決定する先住民保護区制定問題が、議会の管轄下に置かれるようになる。
 アウヴェス議長は、「先住民たちとの合意が成立しない限り、委員会ははじめない」と約束して先住民たちに立ち退きを要求したが、先住民たちは納得せず、下院の本会議場に乗り込もうと、廊下になだれ込み、警備員たちに阻止された。
 しかし、午後6時過ぎ、楽器や槍などを持った先住民約100人が、警備員による封鎖を破って本会議場に乱入した。
 乱入に驚いた議員たちが議長席に向かって逃げ出すなどの混乱が生じたため、中座していたアウヴェス議長も事態を収めるために呼び出された。混乱は40〜50分ほど続き、新党設立についての所用で議会を訪れていた元環境相で、先住民問題にも詳しいマリーナ・シウヴァ氏も先住民との交渉に加わった。
 アウヴェス議長は、先住民を議長室に招いて交渉を継続し、特別委員会の設置は下半期に繰り延べることや委員会のメンバーには先住民も入れることを約束した。
 先住民リーダーたちはPEC215への不満をあらわにし「これは農業派政治家による陰謀だ。先住民が選んだ大統領や政府がもつ先住民保護区制定権を取り上げるPEC215は違憲だ」「三権分立の侵害は民主主義への妨害行為だ。このままでは先住民による下院議員さえ出せなくなってしまう」と嘆いている。