ニッケイ新聞 2013年4月25日
【既報関連】新党に政治資金と政見放送の時間枠を与えない新法案に対し、持続ネットワーク(RN)設立と14年大統領選立候補を目指すマリーナ・シウヴァ氏が、同じく14年に大統領候補を出すと予想される民主社会党(PSDB)とブラジル社会党(PSB)と共に反発の構えを見せている。24日付伯字紙が報じている。
18日に下院が基本項目を承認した同法案に対し、17日結党の民主運動(MD)の下院リーダー、ルーベンス・ブエノ氏は、法案実施を2015年からにするよう求める動議を出したが、下院は23日、これを178対74で否決した。社会大衆党(PPS)と全国運動党(PMN)が合併したMDは、PSBから立候補の意思があるエドゥアルド・カンポス氏との同盟を望んでいる。
同じく23日、新政治団体のRN設立と同団体からの立候補を目指すマリーナ氏は、14年大統領選出馬が予想されるアエシオ・ネーヴェス氏(PSDB)や、PSB上院リーダー、ロドリゴ・ロレンベルグ氏らと会談し、同法案に対して激しい批判を行った。
マリーナ氏は、「ジウマには強い政党(労働者党・PT)も、その他ほとんど全ての政党も、大臣も議会の議長も味方についている。そういう人がこれから生まれようとする政治勢力にほんの30秒さえ与えたくないというのは理解しかねる」として、新法案が施行されれば選挙戦が圧倒的に有利になるジウマ大統領を名指しで批判した。
アエシオ氏は「ジルベルト・カサビ氏が社会民主党(PSD)を結党した際は優遇したのに、政敵には弱体化を促がす」として新法案は〃こじつけ〃と批判、「マリーナ氏やカンポス氏ほどのレベルの政治家を法的に妨害しようとするのは間違いだ」と語った。
また、ロレンベルグ氏は、下院に出した動議が却下された後、同法案の上院審議を妨げるべく、連邦最高裁に「政党結成の自由」という権利侵害だと訴えた。同氏は「これは明らかに違憲だ」と語っている。
一方、与党側は速やかな上院通過をめざして調整中で、ウェリントン・ジアスPT上院リーダーも「われわれの党も結党当初は苦しんだが、そこから這い上がってきたんだ」として、同法案の正統性を主張した。ミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)も「政党が減ることは民主主義にとっても良いことだ」と23日の会食の席で語っている。
上院での審議が始まっても、反対派勢力は16人しかおらず、マリーナ氏たちの不利は変わらない。だが、マリーナ氏の旧友で同氏支持を明言したジョルジ・ヴィアーナ上議(PT)のように与党側でも反対派を支持する声もある。
ジウマ大統領は同日、「私は国政に忙しく、選挙のことを考えている暇もないし、任期半ばで次の選挙の話をする気もない」として、この法案とは無関係であることを示そうとした。