ニッケイ新聞 2013年4月25日
ボリビアからの移民がサンパウロ市のファヴェーラに住み着き、自分たちの家を手にするのを待っていると24日付エスタード紙が報じている。
2009年の南米共同市場協定成立で、ボリビア人、パラグアイ人、チリ人はブラジルにも自由に入国し、ブラジル人同様の権利を認められるようになった。11年にはペルーもその仲間に入った。
現在、サンパウロ市では、自分たちの持ち家を求めるホームレス労働者運動(セン・テット)に加わる南米移民たちも増えてきている。入国当初は受入れてくれた会社の寮が使えるため、中心部に住んでいた南米移民たちも、寮を出た後は、家賃高騰などで周辺部にあるファヴェーラに追いやられているという。
その代表例が極東部のピニェイリーニョ2(ドイス)だ。土地所有者の希望で3月28日に600世帯ほどの不法侵入者の強制立ち退きが実施されかけたものの、住民の強い反対とフェルナンド・ハダジ市長らの介入で中止になったことで知られる同地には、ボリビア人家族約20世帯や、チリ人、アルゼンチン人、ナイジェリア人が生活を営んでいる。
同地に住むあるボリビア人男性は、ハダジ市長が先週発表した、5万5千軒の住宅建築に期待している。男性は「サンマテウスの家賃800レアルの家に住んでいたが、家賃を払うだけで精一杯でここに引っ越して来たんだ」と語っている。
また、同地居住の別のボリビア人は、中央部ボン・レチロの裁縫工場まで往復4時間かけて通勤する生活を送っている。これも、賃金が安くて家賃が払えないために起こっているという。
セン・テット関係者は同運動でボリビア移民1人がミーニャ・ヴィダ、ミーニャ・カーザの家を入手したというが、現在30万人といわれるサンパウロ市のボリビア人には暮らしにくい状況が続いている。サンパウロ市で合法滞在のボリビア人は9万人のみ。