1~2月のトウモロコシ輸出額は7億9100万ドルで、16億2010万ドルだった13年1~2月より8億2900万ドル激減し、1~2月の貿易収支の赤字額、61億ドルを上回った。
最近のブラジルの貿易収支では対アルゼンチン貿易の不振が大きく取り上げられてきたが、1~2月の対亜貿易は全項目をあわせても昨年同期比で3億1700万ドルの輸出減だから、トウモロコシ輸出の激減は、対亜貿易の規模縮小以上に大きなインパクトを与えた事になる。
トウモロコシの輸出激減は、2012年末から13年始めはブラジル産トウモロコシの輸入国にさえなっていた米国が、再びトウモロコシ輸出国に転じた事が最大の原因だ。米国は当時、大干ばつに見舞われ、トウモロコシの生産が大幅に減少していた。
ブラジル産トウモロコシの購入額が激減したのは韓国や日本、米国、台湾で、韓国は3億9700万ドルから6350万ドルに、日本は2億9320万ドルが2690万ドルに、米国は1億5560万ドルが40万ドルに、台湾は1億4千万ドルが5550万ドルに各々減額となった。
米国のトウモロコシ生産量は年間3億トンだから、年間生産量7千万トンのブラジルが太刀打ちできないのは無理もないが、ブラジルの農産物輸出は輸送コストが高いために、国際的な競争力がどうしても低くなるという課題を抱えている。
ブラジルの農産物輸出のネックである輸送コストは、トラック輸送に頼る事と、農産物を保安する倉庫の数が絶対的に足りない事が原因だ。
倉庫数の不足は、収穫期には全てを叩き売らなくてはならない事に繋がるが、全てを叩き売ったとしても、それを港に運ぶトラックの数や道路のキャパシティが収量の増加に追いつかないため、サントス港やパラナグア港周辺では、収穫期に入るか入らないかの時期から農産物を積んだトラックが長蛇の列をなす。
この状況は大豆輸出においても大差がなく、昨年は、サントス港での積荷が遅れたために中国が大豆購入契約を破棄し、アルゼンチンに走るといった事態も発生した。そういう意味では、ブラジルの物流インフラの改善は本当に急務だ。
一方、トウモロコシの輸出激減は量的なものだけではなく、国際的な穀物価格の低下も影響。13年の1~2月を除いたブラジルからのトウモロコシ輸出は、11年1~2月が5億5620万ドル、12年1~2月が3億2490万ドル、14年が7億9100万ドルだから、14年も平年並みの輸出量を保持したとはいえそうだ。(15日付フォーリャ紙より)