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無観客試合は権利侵害=観客6人暫定令勝ち取る

ニッケイ新聞 2013年3月1日

 2月20日のリベルタドーレス杯初戦で、相手チームファンが死亡する事件が起き、無観客試合を命じられたコリンチャンスだが、同チームのサポーター6人がサンパウロ州地裁で試合観戦を認める暫定令を勝ち取り、4人が実際に試合観戦と2月28日付伯字紙が報じた。
 ボリビアのサンホセとの試合中にコリンチャンスサポーターが信号弾を発射し、14歳少年が死亡した事件後、南米サッカー連盟(Conmebol)は、最低60日は本拠地の試合は無観客、敵地でも同チームサポーターにチケットを回さない事を決めた。
 コリンチャンス側の上告に連盟が応じなかったため、サポーター6人が裁判所に訴え、前売り券を買った消費者には試合観戦の権利があるとする暫定令を勝ち取り、内4人は実際に観戦した。
 コリンチャンス側は、入場券を現金で払い戻すか、別の試合のチケットへの振り替えかを選択するよう、サポーターに通達、試合会場のパカエンブー・スタジアムにも近づかないよう要請した。27日にパカエンブーで行われた対ミリオナリオス(コロンビア)戦は大半がテレビ観戦したが、競技場の外にも約70人が集まったという。
 観客わずか4人の中で行われた試合は、ゲレーロ、パトの両フォワードが1点ずつ入れ、コリンチャンスが2—0で快勝し、グループ・リーグの成績を1勝1分とした。だが、伯字紙はこの試合の模様を「練習を見ているようだった」と評価。スタジアム内の電光掲示板にも「観衆4人、興行収入870・00レアル、報道陣172人」という表示が寂しく映し出されていた。
 コリンチャンスの選手たちも当惑気味で、ゲレーロは「観客のいない試合なんて人生ではじめてだ」と語り、パウリーニョは「自分たちとファンのためになんとか戦ったよ」と語った。コリンチャンスはグループ・リーグで本拠地、敵地各2試合を残している。