ニッケイ新聞 2013年3月1日
鳥取県と鳥取県人会が実施する『中堅リーダー交流事業』で来伯した山尾純子(45、宮城)、川上雅弘さん(30、岡山)の二人が25日に来社し、10日間の活動を振り返った。
1年ごとに、地域や団体において民間交流の中堅的な役割を担うリーダーを派遣し合う事業として、2003年に県人会が母県に呼びかける形で始まった。二人は15日に来聖し、24日までの間にサンパウロ州ミランドポリス市の第二アリアンサ鳥取村、弓場農場、ピラール・ド・スール市などを訪問した。
「30〜40代の比較的若い人が多く、非常に強い情熱を持っていることに感銘をうけた」と話す農業技師の川上さんは、各地農場を視察しながら、農業関係者へのアドバイスを行った。ピラール・ド・スール市ではAPPC(サンパウロ柿生産者協会)関係者に向けて農場経営に関する講演も行い、好評を博したという。
「技術的な指導もさせていただく中で、日本とは全く違う大規模農業の在り方を目の当たりにして、『日本の農業は今のままで大丈夫なのか』とも考えさせられた」と感慨深げに感想を語った。
山尾さんは、市内にある公立博物館「わらべ館」の委託職員(歌唱推進員)として童謡・唱歌の普及活動を行っている経験を生かし、訪問各地の日本語学校などで童謡の指導を行った。
「童謡が文化として根付いていることに驚いたが、曲を知っていても、歌詞の内容まで分かる子どもは少ない。意味の理解を踏まえての指導で歌い方が変わったことが印象的。継続的に指導が出来ればもっとよくなるのだけど」と名残惜しそうに話した。
二人は26日に帰国した。