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ジャンゴはやはり毒殺か=究明委員会が遺骨調査へ

ニッケイ新聞 2013年3月20日

 18日に行われた真相究明委員会の公聴会の席で、〃ジャンゴ〃の愛称で知られる「ジョアン・ゴラール大統領(1961—64年)が軍事政権によって殺害された」との見解と、遺族立会いの元で検死を行うことが明らかにされた。19日付伯字紙が報じている。
 南大河州ポルトアレグレで行われた公聴会で、マリア・ド・ロザーリオ人権相は、ジャンゴ氏にが「1976年に国外追放先のアルゼンチンで殺害されたのは間違いない」との見解を示した。
 ジャンゴ氏は公式には心臓発作で死亡したことになっているが、同氏の遺族は「毒殺された」と信じている。それは、2007〜08年にウルグアイの元秘密警察員マリオ・ネイラ・バレイオ氏が、ブラジルの秘密警察の要請を受けたウルグアイ大統領の司令で、ジャンゴ氏殺害に関与したのを認めたため。バレイオ氏によると、ジャンゴ氏は心臓発作を引き起こす薬物を秘密裏に混入した飲み物を飲んで亡くなった。
 マリア人権相は、「真相解明のために遺骨の掘り起こしが必要だ」と発言し、ローザ・カルドーゾ委員も「同氏の死が人為的なものであるとの説を裏付けるような形跡が数多くある」と語った。
 公聴会にはジャンゴ氏の孫のクリストファー・グラールさんも参加し、遺族も遺骨の検証に賛同しているという。遺族はジャンゴ氏の死の真相を求めて何年にも渡る嘆願をしており、調査の遅れに不満をもらしていた。
 検察局によると、19日に検察員をジャンゴ氏の遺骨のある南大河州サンボルジャに派遣し、埋葬前に同氏の遺体に接触した医師で遺族の友人でもあるオジル・ペレイラ氏から話を聞くという。
 南大河州のペドロ・シモン上院議員によると、ジャンゴ氏の死体解剖の話は当時も出たが、認可されなかったという。