ニッケイ新聞 2013年3月21日
パラナ日伯商工会議所(大城義明会頭)は昨年末、長野県上田市(うえだ)に上田支所(津田哲代表、さとし)を設置し、2月2、3日、パラナ州代表者と共に同市を訪れ、母袋創一市長(もたい)を表敬訪問した。同日には、上田商工会議所、信州大学も訪れ、経済、学術面の多方面でのパラナ州、長野県の交流に大きな期待を示した。
今回の訪問には、州政府の谷口カシオ企画調整局長、アリピオ・サントス・レアル・ネット科学技術高等教育局長のほか、フェリックス・ジュリオ・セザール州技術研究所(TECPAR)所長、ルシアーノ・ピザット州ガス公社社長、ルイス・タルシージオ・モサット・ピント州環境研究所所長が参加した。
一行を歓迎した母袋市長は、「市には経済危機以前に3千人のブラジル人が暮らし、ブラジル田舎祭りは14年続けられてきた」紹介。「市民の国際交流初め、地元企業の国際展開に向けて、今後ともブラジルとの親善を深めたい」と、一行を出迎えた。
上田商工会議所では、宮下茂会頭と面会。民間企業同士で協力を行い、地域経済の交流を図っていく事が確かめられた。宮下会頭は「今回の訪問で新たな交流がスタートした。数年内にもブラジルまで足を運びたい」と、意欲を語った。
松本市にある信州大学では、アリピオ局長がパラナ州の教育制度を説明。続いて、一行を出迎えた三浦義正副学長らにより信州大学の紹介、同大学が研究を進める医療技術の説明があった。
そのほか、短い滞在期間の中で上田日本無線、相澤病院の陽子線治療の見学なども行われた。
上田支所の設置に踏み切った大城会頭と同支所の津田代表は、「今回の訪問では、政策の実行に関わる州の責任者も多く招待する事が出来た。今後の展開に期待したい」と話していた。(クリチーバ通信員=長村裕佳子)