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リオ豪雨=かつての救助の英雄に悲劇=昔と同じ場所で家族失う

ニッケイ新聞 2013年3月22日

 17日からの豪雨で21日16時半までに31人の死者が出たリオ州ペトロポリスで、1981年の豪雨の際に救助の姿が報道され、全国的に有名になった人物の娘と孫が犠牲になったことがわかった。21日付フォーリャ紙が報じている。
 当時21歳だったジャミル・ルミナートさん(53)は、81年にペトロポリスで起きた土砂災害での救出作業中、自身の手で土砂の中から取り出した赤ちゃんの遺体を運んで歩いた。
 その様子を写真家のカルロス・メスキッタ氏が撮った写真は「ジョルナル・ド・ブラジル」紙の一面を飾り、ジャミルさんは一躍、全国的な有名人となった。この写真は報道写真賞を獲得し、この出来事をテーマにしたドキュメンタリー作品まで作られた。
 だが、それから32年後、ジャミルさんを悲劇が襲った。あの時と同じ地域で娘のドゥルシラーネさん(31)と娘婿と2人の孫が生き埋めとなった。ジャミルさんは今度も救出作業にあたったが、娘婿を除く3人が死亡してしまった。
 ジャミルさんは17日夜、娘に電話しようとしたが、手遅れだったという。ジャミルさんは「〃家を出ろ〃と言われたら、ほとんどの人が動揺する。自分たちの金で作ったものを捨てて去るのは難しい」と言い、逃げそこなったドゥルシラーネさんたちの行動をかばった。
 ジャミルさんは、81年の豪雨の後、家を失った市民には市が避難場所を提供したが、家が残った人には「何もしてくれなかった」という。
 ジャミルさんは人命救助に刺激されて消防隊員となったが、その後、大工に転職した。結婚後、5人の子供と孫に恵まれたジャミルさんは、危険地域と知りつつ同地域に住み続けていて、今回の悲劇に襲われた。

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