ニッケイ新聞 2013年3月23日
援協が運営する自閉症療育学級「青空学級」(PIPA、井上ケンジ代表)が、8、9の両日、同学級で初の「校内お泊まり会」を開催した。
葉山武道コーディネーターによれば、こうしたイベントは学校側に大きな責任が伴うため、ブラジルの教育機関では珍しい取り組みだという。
警備員による見回りや病院との連携など、万一の事態のために態勢を整えた。「親元を離れても学級の方針に沿った行動を取れるかどうかに、将来がかかっている」と期待も大きい。
自閉症児は一度身に付いた生活パターンや環境の変化が苦手なため、教師たちは校内の壁に『お泊り会まであと○日』と貼り紙をし、心の準備を促してきた。
普段なら親が迎えに来る金曜の午後、お泊まり会に突入。親たちの心配をよそに、子どもたちはスムーズに生活パターンの変化を受け入れ、ピザで和気あいあいと夕食をとったり、映画を観たり運動器具で遊んだりと、伸び伸びと楽しい一晩を過ごした。
翌日の打ち上げ会には子どもと家族、PIPAの井上代表や教師らが参加し、皆でシュラスコを食べながらイベントの成功を祝った。葉山コーディネーターは「PIPAの絆がさらに強くなった。出来れば年に2回は続けたい」と話した。