ニッケイ新聞 2013年2月5日付け
【沖縄タイムス】名桜大学(名護市)へ通う南米からの留学生がこれまでで最も多い11人を数え、互いに交流を深めている。このうち10人が県系3〜4世のメンバーで、ルーツとなる場所で仲間と知り合い、「沖縄と南米の懸け橋になりたい」と、それぞれの夢に向かって励んでいる。
ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルーの4カ国の20歳から34歳までの男女が、市町村の南米県系人対象留学制度などを活用し、同大で学んでいる。
母国語も文化もさまざま。だが、仲間の誕生日パーティーを開いたり、一緒にカラオケへ行ったりと、授業時間以外でも自然と集まり、仲良くなった。
アルゼンチンからの比嘉カロリーナさん(31)=3世=は「みんなに出会うことができてとても良かった。同じルーツである沖縄で、それぞれの国の違いにも気付くことができた」と感謝する。
沖縄の人々との出会いも貴重な体験だ。ペルーから来た宮城治至さん(20)=4世=は、名護市の親戚から沖縄の文化や歴史について学んだという。「とても優しく、遠く離れていても本当の家族のように接してくれる。沖縄の友達も南米に来たら受け入れるつもりで、ずっとつながっていきたい」と笑顔を見せた。
アルゼンチンの県系3世、比嘉アンドレスさんは「ここで培った県系のネットワークを、将来につなげていきたい。行政には、留学制度や沖縄からの教師派遣制度の支援を続けてほしい」と願った。
いずれもボリビア3世の安里翔子さん(20)と平良美紀さん(20)は「沖縄で学んだことを自国に持ち帰り、次の世代へ伝えたい。沖縄と南米の懸け橋になりたい」と気持ちを新たにした。