ニッケイ新聞 2013年2月8日
「マタピー植民地」といっても、北伯在住者以外で知っている人は少ない。アマゾン河口北岸のアマパー州都マカパーは赤道直下の町として有名だが、そこから30キロにあるポルト・グランデ市にある植民地だ。
イタイプーダム〃8人の侍〃の一人、青年隊の荒木昭次郎さんから「ブラジルの北緯1度の地でダム作りです」とのメールが届いた。そのダム建設地の近くに、日本人植民地があると偶然聞き、この2日に訪ね、そこで目黒喜代子さん(89、宮城)とその家族に出会った。
マタピー入植者の大半はとっくにマカパーやパラー州ベレンなどの都会へ出た。同地に残った数少ない日本人家族として、息子アキオさん(二世)等は今も農場を営んでいる。
09年に宮城県人会アマゾン代表支部創立30周年で村井嘉浩宮城県知事からもらった感謝状=写真=は、あまりにも多難だった生涯への数少ない輝かしい顕彰だったようだ。(深)
写真=目黒喜代子さん(前列左)と孫2人/息子アキオさんと荒木さん(右)