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農産物=12/13農年は大豊作に=大豆は世界一の可能性=新しい技術で生産性向上=インフレ鎮静化にも貢献

ニッケイ新聞 2013年2月9日

 国家配給公社(Conab)が7日、2012/13農年の穀物生産量は前農年比11・3%増の1億8490万トンとなり、インフレ圧力も低下との見解を発表したと8日付伯字紙が報じた。

 12/13農年5回目の収量予想発表は、大豆の作付面積拡大などを反映し、前農年比11・3%増の1億8490万トンという新記録達成、一部専門家からは1億9千万トン収穫との声も出るほど、肯定的なものとなった。
 12/13農年の作付面積は5298万1千ヘクタールで、新しい技術の導入などによる生産性向上で、単位面積あたりの収量も3508キロの新記録を達成する見込みだという。
 ブラジルの穀物生産の主力は大豆とトウモロコシで、この二つだけで全収量の86%にあたる1億5900万トンの収穫となる見込みだ。第3位の米は1200万トンの収穫が見込まれている。
 穀物生産量トップの座に返り咲いた大豆の作付面積は、前農年より260万ヘクタール増の2760万ヘクタールで、収量も前農年比1700万トン増の8340万トンが見込まれている。予想通りの収穫となれば、大豆生産で常に世界一だった米国の8210万トンを上回り、初の栄冠獲得となる。ただ、主要産地である中西伯とバイアの雨不足などを鑑み、収量は8100万トン程度とする声もあるようだ。
 トウモロコシは第2収穫期に農年比4・6%増の4091万400トンを収穫すると見られ、通年収量は7560万トンに達する見込みだ。フェイジョンは第1収穫期、作付面積が8%減った事などで前農年比4%増の129万トンの収穫に止まり、政府の備蓄激減などを招き、作付面積が28%増えた第2収穫期も収穫したら消費に直行という状態で始まったが、通年では前農年比16・5%増の340万トンになると見られている。
 大豆やトウモロコシの国際価格高騰と生産拡大で収入が増えた農家は、新しい技術や機械の導入などを考えており、今後も生産性の向上が期待できる。政府としても、生産性の向上と保管用施設増設などのための投資を拡大する意向だ。
 穀物の増産で、大豆やトウモロコシとその加工品の輸出が鉄鉱石の輸出不振を補い、しのぐ可能性もありとの見方も出ているが、もう一つ期待されているのがインフレ抑制効果だ。収穫が始まったばかりの米は買い取り価格が4・5%下がったとされ、収穫サイクルの短い野菜類も含めた食料品のインフレ圧力は、下半期には昨年以下になると見られている。