ニッケイ新聞 2013年2月15日
サンパウロ州ではカーニバルの連休中に実施した飲酒運転の取締りの結果、交通事故による死者が前年より13%減るなどの効果があった。13日付伯字紙が報じている。
今回の取締りは、昨年12月21日に発効となった新しい飲酒運転禁止法に基づいて行われたもの。これまでは呼気1リットル中のアルコール量が0・10mgで飲酒運転と見なしていた基準が0・05mgに引き下げられ、罰金も従来の957・70レアルから1915・40レアルで倍になった。また、従来は呼気検査と血中アルコール量検査のみが飲酒運転の証拠だったが、第三者の証言やビデオ判定も証拠として認められるようになった。
こうした法的改正に加え、今回の取締りは、従来は道路警察のみが担当した検問に、市警警部や書記官、保健部門の専門家を配備するなどの体制もとられた。
その結果、今年のカーニバル連休中のサンパウロ州州道での交通事故の死者は前年の31人から27人に13%減少し、負傷者も1077人から445人へと57%減少した。
連休中は前年の3倍にあたる7500人ほどが取り調べを受け、交通違反者も前年の214人から611人へと185%急増し、免許証没収枚数も244枚から561枚と126%上昇。逮捕者も46人から138人と3倍となった。新しい飲酒運転禁止法では、呼気中1リットルで0・34mg以上のアルコール検出で6カ月〜3年の懲役刑が課せられる。また、逮捕者のうち数人は麻薬の検出での逮捕だ。
飲酒運転禁止法改正で罰則が厳しくなったことや報道の繰り返しによって国民の意識は高まっており、自家用車を家に置き、友人同士でタクシーの運賃を分担しながら外出する人も増えたとエスタード紙は報じている。