ニッケイ新聞 2013年2月19日
2010年の大統領選挙で第3位だったマリーナ・シウヴァ元上院議員が16日、新政治団体〃維持ネットワーク(レッジ・スステンタビリダーデ)〃の発足を正式発表した。17日付伯字紙が報じている。
16日にブラジリアで行われた「維持ネットワーク」の旗揚げ式で、マリーナ氏は新政治団体は「右翼でも左翼でもなく、前へ行く」と方針を語った。また、現在のジウマ政権に対しては「支持でも不支持でもない。もしジウマの政治が良ければ支持するし、森林法をないがしろにするようなことを行えば支持しないまで」と答えた。
また、14年の大統領選出馬に関しては可能性を認めつつ、「新政治団体結成は大統領選挙のためだけではなく、これまでの政党の論理を壊し、従来のような一党支配を終わらせるためだ」と答えた。マリーナ氏は1986年から23年間、労働者党(PT)に在籍。ルーラ政権では2003年から環境相を務めていたが08年5月に辞職してPTを離党し、緑の党(PV)から10年大統領選に出馬、一次投票で1900万票を集めた。
会場には約1千人が集まって「維持ネットワーク」の旗揚げを祝った。同党の設立メンバーとして紹介されたのはアルフレッド・シルキス氏(PV)、ヴァウテル・フェウドマン氏(民主社会党・PSDB)、ドミンゴス・ヅットラ氏(PT)の3人だが、この日はPT時代の元同僚で06年に社会自由連合(PSOL)から大統領選に立候補したエロイーザ・エレナ氏が、「14年の大統領選でマリーナ氏が争っている姿を是非見たい」と語った。これらの諸氏以外にも、この日遅れて到着したエドゥアルド・スプリシー上院議員(PT)も、PTが14年の上院議員選で同氏の出馬を支持しない場合、参加の可能性があると言われている。
また、「維持ネットワーク」に参加する人材として、設立メンバーは「土地侵入などで政治犯としてフィッシャ・リンパの対象となった人は迎えるが、汚職が理由な人は問題外」と説明。「この団体に入れないし、入ろうともしないはずの人物」には、会場から、パウロ・マルフ元サンパウロ市市長やレナン・カルリェイロス上院議長、ジョゼ・サルネイ元大統領などの名前が飛び出した。
マリーナ氏は他党との同盟に関し「可能性はあるが、他党とは明確に違う団体でありたい」としており、ブラジル社会党(PSB)のエドゥアルド・カンポス党首も「幸運と良い働きを」と早速エールを送っている。
現職議員の中には、従来の「党」ではなく、「ネットワーク」という存在に懸念を感じている人や、14年の統一選挙までに正式登録が可能かを案じて移籍をためらう例も見られる。マリーナ氏は強引な議員狩りは行わない意向で、「同ネットワークへの参加を希望しているものの、現在所属している政党も離れたくない」という政治家をどう扱うかといった問題も残されている。