ニッケイ新聞 2014年3月25日
ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)は、ビル改修に向け日程調整に入っていたが、今月初旬からついに移民史料館の3階事務所で工事が開始された。大講堂、体育館は5月に第1次改修を控える。大塚商会の名誉会長、大塚実氏からの1億円寄付から1年―。ようやく目に見える形での進展と言えそうだ。
史料館の事務所改築は、史料を含めた一時移動を終えすでに工事中。3月初旬から開始され壁、床、天井が取り払われている状態だ。昨年末からボランティアの協力で移動を進め、史料、備品は地下に位置する元援協診療所スペースに移動した。工期中の仮事務所はエレベーターを下りた右手に設置され、6月の完了を予定する。
例年5月に行う『文協文化祭り』は今月23日に開催。5月には第1次改修に取り掛かり、大講堂、体育館で作業が進められる。
大講堂は空調設備が設置されるが、体育館は具体的な工程が決まっていない。ダンス、剣道、卓球といった用途にとどまる体育館を、多目的ホールとしてテーブル、座席を設置し夕食会場としても利用できるような空間に改築したい意向だ。
事務局は「5月中になんとしても進めなければ」と話しているが、理事会からも「第1期に大規模な工事は難しいのでは」といった声も挙がっており、どこまでの作業が可能かは不明だ。
今年建設から60周年を迎えるイビラプエラ公園内の日本館は、引き続き中島工務店側と調整中だが、「今年中の来伯は不可能となった。構造上の手入れは見送りとなるが、シロアリ駆除については当地で対応する可能性がある」(事務局)。
1次改修後の6月には移民祭、芸能祭などが控えており、15年の文協創立60周年には、新会館お披露目としたい考えだ。