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クリチバ=UTIの主任女医逮捕=安楽死幇助の極秘捜査で

ニッケイ新聞 2013年2月21日

 パラナ州クリチバで19日、安楽死幇助(ほうじょ)の疑いのある女医が逮捕されたと20日付伯字紙が報じた。
 逮捕されたのは、同市で2番目に大きなエヴァンジェリコ病院で2006年から集中治療室(UTI)主任を務めるヴィルジニア・ソアレス・デ・ソウザ医師で、極秘裏で捜査を進めてきた市警は、死亡患者18人分のカルテも押収した。
 同医師の容疑は、UTI入院患者の呼吸装置と薬剤注入装置のどちらかまたは両方を止め、患者を安楽死させていたというもの。ブラジルでは、医師が患者の死を助ける行為は犯罪とみなされる。
 同病院は、昨年8月に起きた遺伝性の神経性運動機能障害の発病から入院までを記した本を出版した33歳の男性患者の死と、息子の死を知った母親の急死事件で世間の注目を集めたが、市警による捜査は1年前から始まっていたという。
 ソウザ医師は1988年から同病院で勤務しており、病院側は医師の倫理に反するような行為はなかったというが、病院職員や患者家族からは、冷淡で計算高い、職員の扱いも荒かったなどという声が上がっている。
 同病院は、2億6千万レアルの汚職容疑やワールドカップにあわせた医師の訓練契約不履行などでも騒がれている。