ニッケイ新聞 2013年2月28日
ローマ教皇ベネディクト16世の後継者に、ブラジルの枢機卿5人の大半はイタリア・ミラノ教区のアンジェロ・スコラ枢機卿を推す意向と、27日付エスタード紙が報じている。きょう28日で退任する教皇の後継選び(コンクラーヴェ)はバチカン市国のシスティーナ礼拝堂で行われる。
コンクラーヴェは3月15日からの予定だったが、ベネディクト16世が存命中で葬儀の予定がないことや教皇自身の希望で、前倒しされる予定だ。ブラジルサルバドール教区のジェラウド枢機卿は「ローマ教皇庁には抜本的な改革が必要」と語り、日程の繰上げで「教皇庁を巡る憶測にも早めに終止符を打つことができる」と好意的だ。
ブラジル全国司教会議(CNBB)の元相談役のマノエル・ゴドイ神父によると、ブラジル人枢機卿では、ジェラウド枢機卿、教皇庁の聖職者省名誉長官のクラウジオ・ウメス枢機卿、サンパウロ教区のオジロ枢機卿が、ベネディクト16世の意向でもあるイタリア・ミラノ教区のアンジェロ・スコラ枢機卿に投票すると見ている。また、教皇庁の奉献・使徒的生活会省長官のジョアン・ブラス・デ・アヴィス枢機卿もスコラ枢機卿を推すと見られている。
一方、ミナス・ジェライス教区のライムンド・ダマッセーノ・アシス枢機卿は、イタリア人で教皇庁の文化評議会長議長のジャンフランコ・ラヴァシ枢機卿を推す意向と見られるが、ゴドイ神父は、ダマッセーノ枢機卿は自身の意見を変える可能性ありと見ている。
ブラジル人枢機卿で最もローマ教皇に近いと言われている最年少63歳のオジロ枢機卿は26日午後、グアルーリョス空港を発ちローマへ向かった。これで5人のブラジル人枢機卿は全員ローマ入りしたことになる。