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ホピ・ハリ事故から丸一年=日本で悲観に暮れる両親

ニッケイ新聞 2013年2月28日

 【既報関連】静岡県磐田市生まれの西村ユカリさん(享年14、三世)がサンパウロ州ヴィニェード市の遊園地ホピ・ハリの遊具から転落し死亡した事故から、2月24日で丸一年が経った。現在日本に戻っている両親がグローボTVの取材に応じ、インタビューの内容が22日に放映された。
 今でも、たくさんの写真や絵などで飾られたユカリさんの部屋はそのままにされている。母のシウマーラさんは、「今でも頭から離れない。年明けも、絶望感で涙が止まらなかった」。
 老人ホームで働くシウマーラさんは、もう一人の娘のハンナさん(8歳)に対して「あの事故の後、ものすごく過保護になった。めったに一人で外出させないようにしている」という。
 検察は同遊園地のアルマンド・ペレイラ・フィーリョ社長や役員を含む12人を起訴し、夫妻は同遊園地に対して460万レの損害賠償支払いを請求している。
 手続きは昨年裁判所で始まっているが、法廷が開かれる日時は未だ決まっていない。夫のアルマンドさんとともに、インターネットや担当弁護士を通じて進捗状況を確認する日々だ。
 「どうして(審理開始が)遅れているのか理解できない。私たちは大切な娘を失ったのに、遊園地は何事もなかったように運営されている。恥ずべきことで、日本では考えられない。今の今までジュスチッサがない」
 担当のアデマール・ゴメス弁護士は「政府が司法に力を入れていないから、ブラジルではすべて終わるまで10〜15年かかる」とコメントしており、本件の速やかな解決は期待できないとの見方だ。
 夫妻は、当地に残した両親に会いに帰国することも視野に入れているが、いつになるかは未定だという。