6日よりウルグアイが世界ではじめて大麻の売買・喫煙・栽培までを合法化する国となる。5日付伯字紙が報じている。
同国のホセ・ムヒカ大統領による大麻合法化の目的は、麻薬密売市場から大麻がなくなれば運び屋の行動を抑制することができるとの考えに基づくもので、昨年12月に上院を通過。同7月の下院通過時から国際的に大きな話題を呼んでいた。
大麻に関しては、いまだに喫煙による健康面での問題を疑問視する声があるものの、「煙草より害は少ない」と主張して合法化運動する声も世界的に存在する。
国際社会では現在、オランダが「国内製造は禁止だが一定量までの売買は合法」、中国が「喫煙以外の用途での使用は合法」、米国でもコロラド州とワシントン州が消費合法化などの例があるが、売買・消費・栽培までを合法化する例はウルグアイが世界初だ。
合法化により大麻は薬局で販売されることになるが、購入量には制限があり、1週間につき10グラムまでの購入が認められる。また、自宅での栽培は一戸6本までで年間生産は480グラムまで、「大麻クラブ」による栽培がクラブ全体で99鉢までで1人あたりの年間栽培量は480グラムまでとなる。
消費者は大麻規制制御協会に指紋を登録し、登録番号入りの登録証を受け取る。購入の際は指紋の読み取り機で本人であることを確認しなければならない。消費者は同国国民と帰化した人、もしくは同国の永住権所有者でいずれも18歳以上に限られる。栽培者は栽培場所についての認可の手続きを頻繁に求められることにもなる。また、閉め切った場所や職場、教育機関や医療機関、公共交通機関、救急車、学校のバス内での大麻喫煙は禁止されている。
ウルグアイ国民の6割はいまだにこの合法化に反対しているというが、ブラジルでも隣国での合法化によって国内に不法に持ち込まれる大麻増加などを危惧する声が強い。
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