ホーム | 日系社会ニュース | 池崎商会=800人が半世紀の繁栄祝う=革新的取組みで業界牽引役に=新店舗続々、ネット販売も=「まだ市場は拡大する」

池崎商会=800人が半世紀の繁栄祝う=革新的取組みで業界牽引役に=新店舗続々、ネット販売も=「まだ市場は拡大する」

 美容化粧品販売業界の大手「池崎商会」(池崎博文社長)が、今年で創業50年を迎えた。1964年にリベルダーデ区に1号店を開店し、客本人で商品を手にとって購入するスーパーマーケット方式を初めて導入、実演販売員を置くなど画期的なアイデアを打ち出し、先駆者として業界を先導してきた。今年10周年を迎える美容フェイラ「ビューティーフェア」も世界第2の規模を誇る。8日にサンパウロ市モエマ区のイベント会場で記念式典が開かれ、関係者約800人が出席し半世紀の繁栄を祝った。

池崎社長のあいさつに会場は総立ちで拍手

池崎社長のあいさつに会場は総立ちで拍手

 式典の冒頭、飯星ワルテル連邦下議から記念プレートを受け取った池崎社長は、リングで勝利を勝ち取ったボクサーのごとく、両手で会場に向かってプレートを掲げて大きな拍手を浴びた。
 今では世界3位の美容業界市場を誇るブラジルだが、1号店開店当時はその面影もなかったという。同社長は「当時、化粧品専門店を開くと言ったら『化粧品なんて誰も興味を持たない。レストランにしといたら』と言われた。精神一統何事か成らざらん。これからもブラジルの美容のために貢献していきたい」と感慨深げに挨拶した。
 同商会のエルシオ・アルフェリ氏によれば、過去10年間で事業規模は4倍に拡大。07年にサンパウロ州サンミゲル市に2号店を開店し、リベルダーデ、サントアマーロ、サントアンドレ、地下鉄トゥクルビ駅、オザスコと次々に大型新店舗を増設してきた。1年以内に更に2店開店し、全伯に対応できるネットショップも開設する予定という。
 店舗の対面販売だけでなく、ネットや電話など様々な経路を通して商品を購入する時代になった。セアザ・ツクダ商業部長は「これからも美容市場は成長を続ける。多様な販売経路の開発と優秀な人材育成で、輝かしい未来を実現したい」と力強く語った。
 役員の池崎リカルドさんも「化粧品専門店がこんなに成長するなんて誰も想像しなかった。池崎の革新的な取り組みは市場の牽引役。これからも解決策と改善策を提供していきたい」と力説し、イベントを締めくくった。
 特別支援児童の職業訓練を行う「テゾウリーニャ事業」の創始者イヴァン・ストリンギさん(52)も祝福に訪れ、「池崎さんは40年来の友人であり仕事上のパートナー。プロ教育だけでなく、商品も適正価格で提供してくれる」と話した。