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「エンリケ」って誰?=W杯代表に入った意外な名前

 7日に行なわれたワールドカップに向けてのブラジルのセレソン23人はおおむね「波乱なし」の印象だったが、1人だけ「なぜ彼が」と騒がれている選手がいる。それがセンターバックで選出されたエンリケだ。
 エンリケは世界的、全国的な知名度は高くないが、サンパウロのサッカー・ファンには知られた存在だった。ドイツやスペインのチームでプレーした後、12年に08年までの所属先だったパルメイラスに戻って来たエンリケは、12年のブラジル杯優勝に貢献。翌13年には全国選手権で2部落ちしたパルメイラスの守備の要となり、チームを快進撃で2部優勝させる立役者となっていた。
 だが、そうした活躍は知名度アップにはつながりにくく、今回の選出に関しても、「彼より上手いセンターバックならあと5、6人はいる」などといった批判の声も少なくない。特に、現在ヨーロッパのチャンピオンズ・リーグで快進撃を続けているスペインのアトレリコ・マドリッドのミランダの落選を嘆く声が目立っている。
 こうした反応に対しフェリポン監督は「センターバックの最後の枠は最後の最後まで、色々な選手の情報を入念に調べて選んだ」と語り、エンリケに関して「好きな選手だ」と語った。
 今回のエンリケ選出の理由には、フェリポン監督との以前からの関係が挙げられる。それはエンリケが12年にパルメイラスに戻った際の監督が当のフェリポン氏だったからだ。フェリポン氏は12年に成績不振でパルメイラスを追われたが、同監督は12年末のセレソン監督就任以来、エンリケを2部降格チームからは異例のセレソン招集なども行なっていた。
 そしてエンリケもセレソン入りには自信があった。「この数週間は眠れない日が続いていた。でも僕はセレソンに入ると信じていた。フェリポンは僕をテストに使ってくれていたし、今、ナポリ(イタリア)に移籍してからは右のサイドバックもやっているしね」と語っている。
 エンリケはセンターバックのみならず、サイドバックやボランチも出来る万能型の選手として期待する向きもある。また、批評家の中にはエンリケを「たとえ試合に出場しなくても、フェリポン監督のやりたいサッカーを他の選手に伝える掛け橋的な役割も期待できるのではないか」と期待する人もいる。