健康広場
6月16日(水)
長年の喫煙や大気汚染が原因となる慢性気管支炎に罹っている人は、風邪やインフルエンザを引くとこじらせやすいため、この季節特に注意が必要だ。日常の生活習慣が大きく左右するだけに、具体的にどう改善する必要があるのかを紹介する。
【症状】
慢性気管支炎とは、痰を伴う咳が、三ヶ月以上毎日続くもので、加齢による肺の機能的・形態的な衰えや喫煙、大気汚染などにより発生する。
具体的には、朝に粘々する痰が出るのが初期症状で、日ごろは目立った症状がないが、タバコを吸ったり、冷たい空気を吸うと激しく咳き込むのが特徴。
また進行に伴い、痰が濃厚なゼラチン状になったり、黄緑色の固形状になるが、この段階ではかなり進行しているので要注意だ。さらに呼吸困難や息切れを覚えることもある。
【原因】
気管や気管支が慢性的に炎症を起こし、粘性のある痰が喉に押し出されにくくなり、咳や痰が続く慢性気管支炎――。
一番の原因は何と言っても喫煙だ。タバコの煙や大気汚染など刺激性の化学物質が呼吸と一緒に、気管に入るとその刺激により、粘液分泌が増加したり、繊毛が減少してしまう。
【生活習慣への助言】
くどいようだが、やはり喫煙は絶対禁物。また、同居している家族に高齢者がいる場合は、なるべくタバコの煙を吸わせないように分煙に配慮する。慢性気管支炎は、一年以上かかって徐々に進行していく。
サンパウロでも本格的な冬を迎え、朝晩には空気が冷たくなることも多い。ほこりはもちろん、冷気を吸い込むと気管や気管支を刺激するので、なるべくマスクなどをして予防を心がける。
「ただの気管支炎だろ」などと侮るのは禁物だ。慢性気管支炎の人は、平素から肺機能に予備力が少ないため、呼吸器感染を起こすと急激に症状が悪化。特に高齢者の場合、心肺不全などを併発し、死亡することも少なくない。細菌感染を防ぐためにも、特に冬場には人ごみを避け、風邪やインフルエンザをもらわないようにしたい。
さらに強い香辛料など気管を痛める刺激物はなるべく取らないことも忘れずに。
【早期発見には】
冬場に咳と痰が三ヶ月続くようならば、一度内科もしくは呼吸器科を受診したほうがいい。