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にんにく(上)=疲労回復にニンニクを

健康広場

6月16日(水)

 ニンニクを食べて精をつけよう――。日本のみならず、世界中でニンニクは力の源として認識されている。ただ、イタリアのパスタや韓国のキムチ、ブラジルのフェイジョンなどのように、日本では日常的にニンニクを食べる機会は少ない。古くは、紀元前の古代エジプトでピラミッド建設に従事した労働者らが、ニンニクをかじり、疲れを癒したと伝えられている。ブラジル料理でも欠かせないニンニク。その効能と効果的な食べ方を探ってみた。
 「ニンニクは臭くて嫌っ」。独特の匂いを敬遠する人も多いが、あの臭みに健康に効く効能が含まれているのもまた事実。アリシンと呼ばれる揮発性のイオウ化合物。アリシンそのものは、ニンニクには存在しないが、アリインという成分に含まれている。包丁で切ったり、摩り下ろすことで、アリインはアリシンに変化する。
 アリシンの効能で、一番最初に認められたのが殺菌・抗菌作用だ。昔からコレラやチフス、赤痢などの予防として用いられてきたが、近年ではアメリカの国立ガン研究所が「抗ガン効果が期待できる」などと報告したほか、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌の増殖を抑えるとも言われている。
 また、アリシンの効果としては(1)風邪やインフルエンザの細菌を抑える(2)腸内の悪玉細菌の活動を妨げ、腸の働きを活性化するなども認められている。
 疲労回復によい――ニンニクに対するこんな認識は、もう一つのアリシンの効果に由来する。アリシンは、ビタミンB1体内で結合することにより、アリチアミンという物質に変化。ビタミンB1は体内に吸収されにくいが、アリチアミンになると非常に吸収されやすくなる。このため、ニンニクを食べると疲労回復、精力増強につながるという訳だ。
 次回は具体的なニンニクの食べ方や、他の食材と組み合わせることで得られるその他の効果を紹介する。

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