健康広場
7月28日(水)
近年、「頭が良くなる」として注目を集める成分DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含むイワシ。「生臭いからちょっと」などと敬遠する人も多いが、フェイラなどでは捌いたものが販売されるなど、気軽に試して欲しい食材の一つだ。栄養価が高いだけでなく、体にいいイワシの効能と食べ方を考える。
かつては安い雑魚とのイメージも強かったイワシだが、記憶力を高めるDHAと脳血栓や心筋梗塞を防ぐEPA(イコサペンタエン酸)を豊富に含むことでがぜん、注目を集め始めた。
DHAやEPAは、豚や牛などの肉にはほとんどないが、こうした成分が豊富なのはイワシやサバなどの青魚類。また、同じイワシでも普通の肉の部分より、血合肉の部分が何倍も豊富にDHAとEPAを含んでいる。
それではどういう調理法ならば、効果的にこうした成分を摂取できるのだろうかーー。表1は調理法による残存率を示したものだ。
DHAとEPAはイワシの脂質に含まれるため、焼き魚や素揚げではやや減少してしまう。
以下に上手な調理法を紹介しよう。
(1)まず脂ののったイワシを選ぶこと。
(2)煮物の場合は、煮汁に成分が溶けだしているので、汁も一緒に食べると良い。また、揚げ物は脂が溶け出すので健康を考えるなら、なるべく避けた方がいい。
(3)焼く場合にはホイル焼にするとよい。
(4)一番いいのは刺し身だ。
また、豊富なDHAとEPAだけがイワシの特徴ではない。
イワシにはカルシウムとミネラルがたっぷり含まれるのだ。可食部100グラム中には70ミリグラムのカルシウムが、丸干しなら100グラム中1400ミリグラムが、煮干しなら100グラム中2200グラムも含まれる。
また、ありがたいことにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富。今回の「生活習慣病」で取り上げた骨粗鬆症の対策には、もってこいの食材がイワシなのだ。