健康広場
9月1日(水)
交通事故死よりも多い、家庭内事故死ーー。反射神経などが年々衰える高齢者にとって、日常の大半を過ごすであろう家庭に、危険が潜む可能性を前回指摘した。靴を履く時に転んだり、何かに躓いたりとあらゆる危険性を見通して、本人はもとより家族らも協力する必要がある。
前回紹介した転倒の危険性意外にどのような事柄に気を付ければいいのだろうか。
意外と多いのが、電球や高いところの物を取ろうとして脚立、踏み台代わりの椅子から転落する事故だ。ここで注意したいのが、頭などの怪我は比較的軽傷で済むが、足腰の怪我は致命的になりかねないということ。足の骨を折ることが、結果的に寝たきりにつながり、そのまま健康な生活を取り戻せないことが多い。
加齢に伴い、バランス感覚や反射神経が衰えるのは当然のこと。体力を過信せず、子供や孫に手伝ってもらいくれぐれも無理は避けるのが対策。
アポゼンタードした後、趣味に園芸などの庭いじりを楽しむ人も多いと思われるが、ここでも注意が必要だ。
こんな例がある。
敷石と砂利の間に靴の先が引っかかり、顔から転倒し軽傷を負ったーー。高齢者になると、無意識の内にすり足になり、わずかな段差にでも躓きやすくなる。自宅内、もしくは外で使用する靴選びのポイントを紹介しよう。
(1)爪先は丸く、太く、反っていて一センチぐらいの余裕を残す(2)足幅、足囲に合っていて、かかとが安定している(3)底は接地面積が広く、滑りにくくなっている(4)軽量(5)かかと部分は太く安定しており、引っかかりにくいもの(6)楽に履いたり、脱いだりできるーーなど。
家庭内の事故の怖さが、侮れないことが分かって頂けたと思う。次回は、高齢者がこの季節に最も注意したい入浴・シャワー時の心がけや注意点を検証する。