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歯は万病のもと=誰もが気をつけたい歯周病(上)=やがて歯を失うことに

健康広場

9月29日(水)

 「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?」
 かなり昔になるが、歯磨きのテレビCMで、こんな台詞があった。これは歯茎の健康状態を知る手掛かりでもあるのだ。
 誰もが知っている歯の大切さ―。次の項目について振り返ってみて欲しい。
 (1)朝起きたときに口の中が粘つく。
 (2)固い物をかじると歯茎から出血する。
 (3)口臭が強いと言われる。
 これらに覚えがある人は要注意。歯周病の可能性があるためだ。放置しておくと最後には歯が抜け落ちてしまうだけでなく、全身に様々な疾患をもたらす歯周病。細菌による感染症のため、一般的な生活習慣病とは異なるが、「歯磨きの習慣」「喫煙」「食生活」などが関係するため、日本の厚生労働省も生活習慣病の一つと捉えている。恐ろしい歯周病について考える。
 かつては「歯槽膿漏」の呼び名で知られた歯周病。これは口の中に存在する歯周病菌が、歯と歯茎の間から歯肉に入り、歯を支える組織に炎症を起こすもので、やがて歯は抜け落ちることに。
 「まさか自分は」なんて思っている人も多いだろうが、次の調査結果を知ればゾッとするはず。厚生労働省によると、日本人の80%が何らかの歯周病に罹っているとの統計がある。歯を失う原因にもつながり、65歳から74歳では64%が、75歳から84歳では85%が歯を失っているという。
 それではまず、次の表で自己診断して欲しい。この十項目に一つでも当てはまる人は歯周病の可能性がある。
 どうして歯周病を引き起こすのだろうかーー。
 歯磨き前に歯の裏側を指先で擦ると、白いべと付いたものが付いてくる。これがプラーク、いわゆる歯垢で口の中の細菌が増殖し、固まりとなったものだ。このプラークに対し、周辺の歯茎が防御しようとし、この結果炎症が発生。歯茎から血が出る歯肉炎を招く。歯肉炎は歯周病の前段階と考えていい。
 さらに歯周組織が破壊されて、歯周ポケットとなりやがて歯がぐらつき、膿むことに。歯周病の恐ろしさは、放置すればどんどん進行する一方で、やがて歯が動いて抜けそうになるまで自覚症状がないことだ。気が付いたときには「手遅れ」になっていることもしばしばだけに、まずは自己診断して欲しい。次回は歯が抜けるに留まらない、歯周病の恐ろしさを検証する。
歯周病チェックリスト

歯周病チェックリスト

① 歯茎が腫れる
② 歯茎から血が出る
③ 口の中が粘つく
④ 歯がぐらついている
⑤ 冷たい物を飲むと歯が染みる
⑥ 口臭がひどい
⑦ 歯が長く見えるようになった
⑧ 歯磨きをすると歯茎から血が出る
⑨ 最近、硬い物が噛めない
⑩ 歯の生え際の歯茎が赤黒い

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