健康広場
12月8日(水)
日本では冬の味覚の代表格として知られるが、古くは古代ローマの将軍カエサルやフランスのナポレオンまでもが好んだと言われる海の幸がある。「海のミルク(牛乳)」と呼ばれ、良質なたんぱく質やグリコーゲン、ビタミン類など数々の栄養素を含む牡蛎(カキ)――。リベルダーデ区の日本食材店でも簡単に手に入れられる身近さに加え、高齢者にはうれしい効能を多く持っている。そのパワーをおいしく享受する方法とは。
高齢者に不足しがちと言われる亜鉛。まず表を参考に皆さんの亜鉛不足度を確かめてみよう。
こうした症状のうち三つ以上に思い当たる人は亜鉛が不足している。動物実験でも亜鉛を与えないでおくと、成長が遅れ皮膚が荒れるという。
一般的に成人に必要な亜鉛の量は一日に約15ミリグラムだという。こんな亜鉛の補給に最適な食べ物の一つが牡蛎なのだ。
そんな牡蛎の最適な食べ方は――。その答えはフランスにある。生牡蛎の消費量世界一を誇るこの国では、八割が生食だという。
生の魚介類を食べることが極めて少ない欧米において、どうして牡蛎は生で食べるのだろうか。もちろん、美味しいことは理由の一つだが、健康面から見ても実に理にかなっている。
牡蛎には亜鉛などのミネラルが含まれるが、吸収を助ける銅も同居していることが分かっている。加熱するよりも生で食べることで、亜鉛が銅の助けを受け、絶妙に吸収されるのだ。
新鮮な牡蛎は、生で食べる。これが亜鉛の摂取には最適だ。一日に百個食べたとの逸話も残すナポレオンは、その効用を知っていたのだろうか。
亜鉛だけに留まらない牡蛎の効用と、上手な料理法を次回紹介する。