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歯は万病のもと=生活習慣の見直しで予防可=正しい歯磨きの徹底を(下)

健康広場

12月22日(水)

 総入れ歯になる危険性があることに加え、動脈硬化や心筋梗塞など生命に大きく関係する病気につながる歯周病。成人の七割から八割が感染しているこの症状では、自ら予防することこそ最高の治療法であることは間違いない。今回は予防法と生活習慣の見直しを考えよう。
 気が付いたときにはすでに手遅れになりかけている歯周病。どうして自覚症状が少ないのだろうか。理由はこうだ。
 長い時間をかけて徐々に症状が進行する歯周病は、虫歯などと違い強い痛みが生じない。こうした緩やかな変化のため、神経がその痛みに慣れてしまうのだ。
 歯周病予防のポイントは、正しい歯磨きを続けることがまず肝心だ。
 「歯磨きなんて、毎日しているよ」。こう反論する人には、ぜひ聞きたい。正しいやり方を守っていますか、と。
 実は歯垢を防ぐ正しい歯磨き方法は意外と実践されていないものだ。
 まず正しい歯ブラシの使い方を表で紹介しよう。正しい歯磨きを三カ月から半年続けることで、炎症を起こした歯肉が回復する。
 継続は力なりーーこの言葉を頭に置いて、歯の健康を取り戻してもらいたい。
 歯磨き励行以外にも、日常生活で心がけるべき生活習慣は数多くある。
 まず規則正しい食事のサイクルを守ること。だらだらと間食したり、食事したりすると常に口の中が不潔になり細菌が繁殖。歯垢を生み出すことになる。
 また食材も検討材料の一つだ。なるべくよく噛む回数が増えるような食材を取り入れたい。よく噛むことで唾液が分泌。唾液には細菌を洗い流し、炎症を防いでくれるイムノグロブリンAという歯周病予防にはもってこいの成分が含まれるのだ。
 食後に生野菜やリンゴなど繊維質の多い果物を食べると歯垢が落ちやすい。
 さらに過労やストレス、睡眠不足も抵抗力を落とすので、歯周病になりやすい体質を作り出す。
 そして数多くの病気の根源となる喫煙については、歯周病にも当てはまる。
 喫煙によるニコチン摂取で、血管を収縮させ歯茎の血行を阻害することで、血液中の白血球が持つ免疫機能や治癒力が低下。さらに、歯茎を強く保つビタミンCも破壊してしまう。
 なお悪いことにニコチンによって歯に歯垢が付きやすくなり、まさに歯周病原菌に「栄養」を与えているようなものなのだ。
 正しい歯磨きを実践し、生活習慣を見直すことで歯周病は予防できる。健康に欠かせない歯を保ち、全身疾患を防ぐためにも歯周病に罹らない生活を送って欲しい。

正しい歯磨き方法

1 歯ブラシは柄をしっかり握らず、鉛筆を持つように
2 歯垢が一番たまりやすい歯と歯肉の境目に歯ブラシを「直角」にあて、確実に磨くこと
  ここでのポイントはゴシゴシと強く磨かず、軽く擦ることだ
3 夜眠る前に、10分ほど時間を割く
4 シャワーや入浴中に磨く。体が温まり、歯肉の温度が40度になると、血管に最も新鮮な
  血が流れ、このときに磨くと歯肉が回復しやすくなる
5 テレビをみたり、本を読んだりと時間をかけて磨く
6 理想は歯磨き粉をつけずに5のように「ながら磨き」。さらに仕上げで歯磨き粉をつけて
7 歯の隙間の汚れは歯磨きだけでは不十分。デンタルフロスと呼ばれる糸楊枝で、歯の
  隙間の掃除をする

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