ホーム | アーカイブ | 生活習慣病=脂肪肝=肥満と酒の過摂取に注意=他の成人病にもつながる恐れ

生活習慣病=脂肪肝=肥満と酒の過摂取に注意=他の成人病にもつながる恐れ

健康広場

1月12日(水)

 成人病では、高脂血症に次いで多いと言われる肝臓病。その多くは肝臓に中性脂肪が溜まる脂肪肝だ。「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、障害を起こしてもよほどひどくならない限り自覚症状が出ないという厄介な特徴を持つ。肝臓病と聞くと、私たちはすぐに「お酒の飲み過ぎ?」と思いがちだが、アルコールだけでなくストレスなども多いに関係する。生活習慣の見直しが欠かせない肝臓病について理解を深めよう。
 【症状】
 体全体の栄養の代謝を司る肝臓。健康な肝臓では三%を少し超える程度の脂肪(中性脂肪・コレステロール・リン脂質など)が含まれる。しかしアルコールを飲み過ぎると、肝細胞内の小器官が障害を受け、細胞内に脂肪滴という泡状のものが発生。この脂肪滴が肝細胞の小さな集合体である肝小葉の中の肝細胞の三分の一以上に現れる状態を脂肪肝という。
 脂肪肝自体には怖さがないと言われてきたが、肝炎を合併しやすく肝硬変に進む危険性もあるので注意が必要だ。
 【原因】
 その原因の多くは、肥満とアルコールの過摂取だ。脂肪肝で肝臓にたまった脂肪のほとんどは、エネルギーの過摂取や運動不足が原因となる中性脂肪。肥満気味の人はもちろん、わずか数カ月で体重が五キロ増加した人は「過栄養脂肪肝」の可能性があるので注意したい。
 またアルコールの飲み過ぎで肝臓に中性脂肪が溜まるアルコール性脂肪肝の人は肝臓の繊維化が進むため、肝硬変に進行しやすい。
 さらに気を付けたいのが、日常生活でのストレス。ストレスを受けると体内の血液量が減少し、酸素がうまく運ばれなくなる。肝臓には一分当たり一リットルの血が流れ、酸素を供給しているが、ストレスにより肝機能全体が低下する。
 【生活習慣への助言】
 肥満を解消し、アルコールを我慢することで脂肪肝はほとんどの場合解消されるので、まず日常生活を見直すことが不可欠だ。
 肥満が原因の場合は、まず自分の摂取カロリーを把握する必要があるので、医師や栄養士のアドバイスを受けながら、健康的な方法で減量したい。
 出来るだけ遅い時間の食事や飲酒はやめ、「腹八分目」を心がけること。さらには週に二回程度でいいから、運動で汗を流すのも効果的だ。
 そして大敵はアルコール。毎日日本酒三合程度を飲む人は要注意。また、酒のあてを食べていても、米を食べない人は肝臓に負担が掛かるので、おにぎり一個でもいいから食べるようにしよう。
 【早期発見には】
 まず別表のチェック表で、あなたの肝臓の健康度を測ろう。この中で三つ以上に思い当たる人は脂肪肝になる恐れがあるので要注意だ。
 ただ、きちんと生活を見直せば回復は可能な脂肪肝。前述した生活習慣の見直しだけでなく、年に一度は予防健診などで血液検査や超音波検査で肝臓の状態を把握しておくとよい。
 脂肪肝は、動脈硬化や高血圧など肝臓以外の病気も引き起こす危険性があるので、肝臓に「悲鳴」を上げさせることのない生活習慣を心がけたい。

Leave a Reply