健康広場
1月27日(木)
急激な温度変化などで自律神経が狂うことが原因となる夏バテ。五度以上の急な温度変化が主な原因だが、それだけが夏バテをもたらすとは限らない。遠因となるのが暑さによる不快さがもたらす睡眠不足。理想は毎日、一定の時間を確保したいところだが、肝心なのは毎朝、同じ時間に起きることだ。「睡眠不足が続いたから、休日には寝だめを」という風に、休日に生活のリズムを帰るのは控えたい。
また、生活習慣だけでなく、夏場の食生活が夏バテに大きく関係することは意外と知られていない。
まず表で、皆さんの夏バテに対する危険度を確かめて欲しい。1~3までに一つでも当てはまる人は典型的な夏バテの可能性があるので要注意。さらに4~10は、当てはまる項目が多いほど危険性が高まっていく。
ビタミンB1は発熱やストレス、激しい運動によって消費されるので、特に夏場には他の季節の2~3倍の摂取が必要になってくる。
「暑くて食欲もないので、麺類でも」というような食事に陥りやすいが、バランスが悪くなるので、豚肉やレバー、豆類といったタンパク質に加え、ビタミンB1を含む食べ物を採りたい。
さらに野菜や果物のビタミンCは暑さによるストレスを緩和するホルモンを分泌してくれるので、毎日レモンやアセロラ、ミカンなどをジュースなどで飲むのも効果的。
ただ、「果物天国」ブラジルならではの注意点もいくつかある。
「日本と違って安いから、いくらでも食べられる」。確かに、価格は安いため気軽に手に入れることが出来るのはメリットだが、だからといって食べすぎは禁物だ。逆に夏バテを引き起こす危険性があるのだ。
果物には糖分が多いため、あまり食べ過ぎると糖分が過剰に摂取されるだけでなく、糖分の代謝に体内のビタミンB1が使われてしまうため、エネルギー代謝の必要分が不足して、結果的に疲れやすくなってしまうという皮肉な「落とし穴」が待っている。また、冷たい果物は口当たりがいいが、食べ過ぎると胃腸が弱ることにもなりかねない。「少量」「バランスのいい食事のデザートとして」という二つの注意点を頭にとどめたい。
一方で、紫外線が増える夏には体内で活性酵素が発生しやすくなり、ガンや生活習慣病の危険性が高まる。紫外線が多いブラジルなど南国産の果物には、抗酸化成分が多いため、マンガやマモン、ライチなどを食べると効果的だ。
夏場に忘れがちだが、高齢者が知っておきたい事柄に、上手な水分補給が挙げられる。「汗をかくのが嫌だから」とつい水分を控えがちだが、脱水症状になる危険性がある。また、清涼飲料水やビールなどを頻繁の飲むと、胃腸が弱り夏バテを引き起こしかねない。
まず、高齢者は老化のため感覚が鈍っているので、脱水症状に気づかないことがしばしばある。一時間に一度は水分を取ることを忘れずに。また、シャワーや就寝前にも少なくともコップ一杯の水を飲もう。
また、汗をかいてのどの渇きを感じた時には汗から塩分を失っているので、麦茶などに少量の塩を落としたり、スポーツ飲料を採ると良い。逆に夏場にはビールを飲むことを楽しみにしているが、ここでも注意したいことがある。
ビールを飲むとアルコールの分解過程で、水分が取り込まれ飲んだ量の一・五倍の水分が尿として排出されてしまう。血液が濃くなり、血栓が出来やすくなる危険性も高まってしまう。
暑い時にはその場で爽快感を覚える清涼飲料やビールに頼りがちだが、胃腸が弱まる原因にもなるので控えよう。
生活習慣と食事の見直しで防げる夏バテ。まだまだ暑さは続くだけに、自らの体調管理は欠かせない。