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生活習慣病=脳梗塞=突然襲い掛かる恐ろしさ=前兆とらえて検診を

健康広場

2月10日(木)

 脳の血管が詰まってしまうことで血液が行き渡らずに脳細胞が死んでしまう脳梗塞。麻痺や言語障害などの後遺症が残る恐ろしさに加え、突然襲いかかるのも特徴だ。ただ前ぶれを適切にとらえることで、予防も可能だ。
 【症状】
 血栓が脳の血管に詰まることで、その周囲の脳細胞に酸素や栄養が届かなくなり、脳の組織が働かなくなったり、壊死してしまうのが脳梗塞。詰まった血管の場所にもよるが、一般的なのは体の片側に麻痺やしびれが起きたり、手足の感覚が鈍ったり、言葉が話せなくなったりとの症状だ。また、夜間に発症しやすい特徴を持つ。
 突然襲ってくる脳梗塞だが、多くの場合手足のしびれや片方の視野が狭まるというように「一過性脳虚血発作」がまず起こる。これは数分から一時間程度で治まり、その後は鳴りを潜めるため、油断しがちだが、これを繰り返すうちに脳梗塞を起こしてしまう。
 【原因】
 高血圧や動脈硬化、心臓病、糖尿病が主たる原因となる。高血圧は血管に負担がかかるため動脈硬化を促進し、血管が詰まりやすくなる。さらに糖尿病は高血圧や動脈硬化を促進、また心臓病は不整脈などで血栓が出来やすい体質になっているのでいずれも脳梗塞につながりやすい。
 タイプとしては次の三種類に分類される。高血圧が原因で全体の50~60%を占めるラクナ梗塞。日本人に多く、症状は軽症の場合が多い。
 次に血液中のコレステロールや脂肪がくっつき血管を狭くし、血栓が塞いでしまうアテローム血栓性脳梗塞。さらに、不整脈などで心臓内に生じた血栓が脳の動脈を塞ぐ心原性脳塞栓症は他のタイプより突然発症し、重症になりやすいので心臓病のある人は特に注意したい。
 【生活習慣への助言】
 予防に欠かせないのは日常生活の管理だ。前に挙げた脳梗塞につながる持病を持っている人は、次の点を頭にとどめたい。
 高血圧の人は一日の食事で塩分を10グラム以下に控え、適度な運動で血圧を下げる必要がある。また、塩分の排出を促すカリウムを含む食品(リンゴ、枝豆、バナナ)を積極的に採るのもよい。
 糖尿病も脳梗塞の原因となるので、食餌療法など医師の指示に従い、さらにウオーキングなどの運動を欠かさないこと。
 肥満と喫煙も大敵だ。
 高齢者の場合、脱水も血液の粘りけを高め、発症の危険性が高まるので汗をかく夏や発熱時には意識して水分を補給して欲しい。
 【早期発見には】
 表の症状に一つでも思い当たる場合は、医師の診断を受ける必要がある。
 すぐに症状が治まったからといって安心してはいけない。CTやMRIなどで診断し、脳梗塞だと判明したら早急に治療すれば、十分に回復する可能性がある。逆に治療が遅れると、手足の麻痺や言語障害にもつながるので要注意だ。

       こうした症状に覚えがあれば要注意
① 手が震えて、急に字が下手になったり書きにくくなる
② 意識が遠のいたり、失ったりする
③ 手に持ったコップの水をこぼしたり、落としたりする
④ 片方の手足が痺れる
⑤ ろれつがまわらない
⑥ 簡単に転んだり、つまずいたりする
⑦ 口の周りが痺れたり、舌がもつれて言葉が出ない
⑧ 視野が狭くなって見えなくなったり、二重に見えたりする
⑨ 食事中にむせることが増えて、飲み込みにくくなった
⑩ 片方にあるものに気が付かず、ぶつかってしまう

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