健康広場
2月23日(水)
貧血なんて大した病気じゃないよーー。こんな風にあなどっている人は要注意が必要だ。血液中の赤血球やヘモグロビンが不足するこの症状は、様々な原因で起こりうる。自分では気づいていない消化管の病気が引き金になっている場合もあるだけに、原因をしっかり把握し、生活習慣の改善が必要だ。
【症状】
表の症状に心当たりがある人は要注意だ。血液の中でも最も重要な仕事とも言える酸素を全身に行き渡らせる働きを担うヘモグロビン。貧血とは血液中の赤血球あるいはヘモグロビンが正常値より不足することで生じる。貧血の有無を調べる血液検査でヘモグロビン濃度をチェック。成人男性では13g/dl、成人女性では12g/dlがこれに相当する。また高齢者の場合は11g/dlが貧血と考えられる。
【原因】
一口で貧血といっても、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血などがあるが、一般的には鉄欠乏性貧血が一番多い。
これは鉄分が不足して、ヘモグロビンが足りなくなるもので、次の主原因が考えられる。
まず胃や十二指腸潰瘍、痔などで少しずつ体外に血液を失うことで鉄分が減る▽偏食やダイエットなど偏った食生活▽成長期の子供や妊娠中の女性▽激しい運動で赤血球が破壊され、鉄分が不足しがちに――。男性の貧血の場合は、消化管からの出血を疑う必要がある。冒頭に上げた症状に思い当たる人は貧血検査を受けた上で、原因をしっかり把握するのが肝心だ。
【生活習慣への助言】
ここでは一番症状が多い、鉄欠乏性貧血について考えよう。この症状は生活改善が一番のポイントとなる。一番大切なのは、きちんと一日に三回の食事を取り、偏った食事を止めることだ。
さらに鉄分の多い食材を積極的に取ることも欠かせない。成人男性ならばッツ分を一日に12~15ミリグラム、成人女性は一日に15~20ミリグラム摂取すること。
具体的に鉄分の多い食品は大豆、豆腐などの大豆製品、レバー、ひじき、もずく、のり、アサリ、カキ、ほうれん草、牛のもも肉、まぐろの赤身などだ。フェイジョンも鉄分不足を補うのにもってこいだ。
またヘモグロビンは鉄とタンパク質からなるため、肉や魚、卵など良質のタンパク質も忘れずに。
気をつけたいのは、ブラジルでは欠かせないカフェ。緑茶やカフェに含まれるタンニンは食事と一緒に取ると鉄分の吸収を妨げるので、なるべく食後遅くに飲むようにしたい。
【早期発見には】
貧血は血液検査をすればすぐに分かる。自覚症状に個人差があるので、定期的に血液を調べることを忘れずに。また、ダルさが抜けず慢性化している人も、貧血を疑ったほうがいい。
こんな症状に覚えがあれば要注意
めまい
立ちくらみ
頭が重い
体がだるい
注意力低下
唇の色が悪い
息切れ
動悸
むくみ
貧血を予防の10ヵ条
1 極端な食事制限は避ける
2 バランスの良い食事を心がける
3 鉄を多く含む食品(海藻類、緑色野菜、レバー、貝類など)を積極的に摂取!
4 タンパク質(肉、魚、豆類、乳製品)を充分に摂取
5 鉄の吸収を助けるビタミンCを充分に摂取!
6 鉄の吸収を阻害するお茶類の飲みすぎに注意!
7 適度な運動を続けて実践!
8 激しい運動をしている人はより一層、鉄分、タンパク質の補給を心がける!
9 胃腸の働きを整え、おいしく食事を食べる
10 定期的な血液検査で健康状態を把握する