健康広場
4月20日(水)
「持病があったら加入出来ない」「契約を勝手に打ち切る」「保険金を法外に値上げする」……。保険会社は一九八〇年代、消費者保護センター(Procons)に寄せられる苦情の中で際立った存在だった。
規約の多くは、判読出来ない文字で綴られていた。健康保険に特化した法令は制定されていなかったため、問題は消費者保護法で処理するに留まった。その結果、規制強化を望む声が高まり、法案審議が九三年に下院でスタートした。
種々の議論の末、修正案などが盛り込まれ、法令9656/98が九八年六月になってようやく成立。翌九九年一月四日から、新規契約に適用されることになった。消費者に手厚く、保険会社に酷な規定も設けられた。主な内容を拾ってみたい。
■保険金の値上げ
財務大臣と保健大臣の意見を聞いた後、国家保健監督庁(ANS)が許可した時に限って許される。調整後の負担が増大する時、ANSに確認すること。許可が下りていないものだったら、指定の形式に従って告発出来る。
それでもANSが動かない場合、消費者保護センターや検察庁に持ち込めばよい。ANSによる許可が加入者個人で不当だと判断した時でも、裁判所への提訴が可能だ。
■入院の中断禁止
健康保険プランの契約に当たって、争点の一つになっているものだ。以前の契約は、入院期間を三日間に制限していた。消費者らが訴訟を起こすたびに、少しずつ期限が延びるようになった。
同様な訴訟問題を繰り返すうちに、裁判所は制限を不当なものと判断。医者が患者に退院許可証を与えるまでの必要な期間の支出を、保険会社に負担させる決定をするようになった。
この結果、保険会社は保障する入院期間を拡大するよう義務付けられた。だが、相変わらず制限を課したため、過去の判例に従って法務省は省令を発令。入院期間を制限する契約約款を設けることは不当であり、無効だとした。
健康保険法は、入院期間に関する議論に終止符を打った。保険プランは、医者が定めた全ての期間をカバーしなければならなくなったのだ。
患者が集中治療室に入った時、保険会社はほかに移送させられない。また契約に期間の上限を入れていたとしても、超過分を請求するのは違法だ。
■カレンシア
カレンシアは、すべての病気・傷害に対して最大六カ月まで。ただし、例外は次の通り。(1)出産は十カ月(2)救急の時は保険契約を結んで、二十四時間後から応対しなければならない(3)ある種の持病がある時(別項で)。
■保険金の滞納
加入者が保険金を滞納した場合、保険会社はこれまで罰則として、支払いが遅れた日を含めてその日数の二倍の期間、サービスの給付を一時停止してきた。つまり三日遅れれば六日、十五日だと三十日、保険を使えなかった。
健康保険法は、このような罰則を禁止している。保険会社が加入者に滞納のため給付停止に訴えたい時は、同法や法務省省令(4/98)などに基づいて、司法の判断を仰がなければならない。ANSや消費者保護センターに告発することも可能だ。(つづく)