禁煙サポートに着手＝整体師・青木さん＝日本から「吸うお灸」＝育毛・自然美容も対応

健康広場

5月18日（水）

　肩凝り・腰痛の治療から自然美容・育毛の相談まで何でもこなす。青木桂子さん（千葉県出身、６１）は、オールマイティーの整体師だ。向上心も旺盛。今年三月に日本から「吸うお灸」を持ち込み、整体と組み合わせて禁煙サポートを始めた。診療所を訪れる患者の九割に、精神的なストレスがみられるという。養蚕業で辛酸を舐めた青木さん。〃黄金の指〃で、移民の心理もすくい上げる。

　東洋医学でごく簡単に病気を定義すれば、「ストレス過剰などによって自然治癒力が衰え、心身のバランスが崩れること」だ。便利で豊かになった反面、現代社会にはストレスの元が随所に現れている。
　例えば、コンピューター。首が固定されて指だけの動作になるため、首と後頭骨にかかる負担が大きい。その上、画面から放たれる微量の放射能が身体を冷やしてしまうという。厳しい競争社会で精神的にも圧迫され、健康維持が困難な時代だ。
　青木さんは「心理的に緊張すれば、肉体も疲弊。骨格に影響して肩凝り、腰痛、手足の緊張を招く」と顔をしかめる。患者の多くは、鞭打ち症のような状態になっているそうだ。
　指圧などで、気（精神力・生命力・自然治癒力）、血（血液）、水（リンパ液、脳髄液、体液）のバランスを回復させるのが治療の主眼。軽体操や食事など、生活改善のためのアドバイスも加える。
　肺がんの発生率が世界で増加。特に、罹患者のうち女性喫煙者の占める割合が伸びているのが、気がかりだ。先ごろ日本を隈なく歩き、禁煙補助品を手に入れてきた。お灸をキセルに詰めて吸うというもの。「ブラジルでまだ、販売されていない」と自負する。
　お灸から出る煙に毒素を消すハーブ成分が含まれており、体内を浄化。リラックスさせる。整体で体の凝りをほぐしながら、お灸を吸うと効果が大きいことを、帰国後発見。「毎年一回、技術を磨くため日本に勉強にいく」と意気込む。
　キセル（一本四十レアル）は十本しかないので、先着順だ。希望者が多ければ、日本から取り寄せる。灸の値段は一つ、六十センターヴォ。
　診察で、精神的なケアーも怠らない。「九割の患者が精神的なストレスを抱えている。不整脈の方が来られた。悩みを聞いているうちに回復した。みんな、自分の話を聞いてもらいたいんです」。
　実は、幼いころから病弱で乳がんや子宮の病気などにかかった。四リットルの輸血をして、命を取り留めたこともある。「弱い人の気持ちが、分かります」。　一九六一年に渡伯。最初の二年間、両手の手のひらの皮膚がはがれ落ちて、感覚がなくなるまで鍬を握らされたという。
　整体師になる前は美容師で、勤務中自然美容や育毛について造詣を深めた。オイルマッサージを取り入れ、シミ・シワとりも手掛ける。育毛は整体と直接関係ないが、相談に乗ってくれるそうだ。
　診察代（整体）は、一回八十レアル。三～四回で回復する。様子をみるため、その後一カ月に一回の通院が必要になる。診察時間は火～土が午前八時三十分から午後七時、日が午前八時から午後二時、月が定休日。時間は、診療所に入った時刻。
　住所はAv.Armando Ferrentini,629 apto12 Aclimacao。問い合わせ電話（ＦＡＸ）番号＝１１・３２７６・６２１９／３２０７・０６９８。

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