健康広場
2005年7月27日(水)
「私はまだ、現役。週に一回は、〃夫婦の営み〃があるんだ」。よく晴れた日の午後、東洋街のバールで、八十代も半ばに差し掛かった日本人男性が誇らしげに語り始めた。敏腕会計士。仕事もバリバリこなすという。
形式上はもちろん、高齢者に入るわけだ。老けた素振りは、まったくみせない。「あれが出来なくなったら、男は終わりだよ」。
とりあえず、「あぁ、そうですか」と苦し紛れに相槌を打った。後になって、「第三世代の性」がコロニアでもっと論じられてもよいのではないかと考え直した。
「老人ホームで、男性が女性のベッドに潜り込んだ」「寡になった七十代の男性が寂しさの余り、年若の彼女を二人つくった。でも心臓病を患って、彼女たちとの関係が負担になり、間もなく死んだ」……。フォフォッカは、枚挙に暇がない。
六十歳以上の二%(五千五百人)はエイズウイルス感染者と言われ、高齢者にも広がり始めているのも深刻だ。「第三世代の性」について語るのは、まだタブー。生活の質向上を追求する傾向が高まり、それに伴って性生活の継続を願っているからでもあろう。
バイアグラを購入するのは、やはり中高年に多い。精力増強剤の歴史はかなり古く、中には、「四千年の秘薬」と銘打った商品も見られる。
ヘルバリウム社が近々、トリブルス・テレストリス(Tribulus terrestris)を使った天然百%の精力増強剤「アンドロステン」(ANDROSTEN)を再発売することになった。
トリブルス・テレストリスは外来種だが、ブラジルに根を下ろした雑草で、北部で「精力源」として親しまれている。名前の由来は、ラテン語のトラブル。種さやが、スパイク状になっていることを言い表したものだ。
男性ホルモンであるテストステロンの分泌を精巣に刺激。民間療法で、インポテンス、早漏、精力減退などの改善に利用されてきた。頭痛や目眩などにも効果を示すほか利尿作用もあるという。
一九八〇年代に研究が重ねられた結果、精子の質、量を向上させることが明らかになった。インドネシアで数年前、健常者三十人と糖尿病患者十五人を集めて臨床試験が実施された。健常者の六七%、糖尿病患者の五三%が、性欲が促進したと報告している。
デシオ・ルイス・アウヴェス医師(婦人科)によると、女性の性的衝動を高めるのにも有用。特に、閉経後の性欲減退期に力を発揮するという。天然の強みは、体にやさしいこと。化学薬品が局部だけを対象にしているのと異なり、体全体の機能を高める。「副作用は、ありません」。新井シズエさん(薬剤師)は太鼓判を押している。